行動の話
猫の特発性膀胱炎の本質は、泌尿器系以外のところにある。

比較的若い猫が、頻尿や血尿といった症状を示すことはよくある。特発性膀胱炎と診断をすることが多い。この猫の特発性膀胱炎という疾患は、膀胱炎という名称が付いていながら泌尿器系の病気ではない。実態は、泌尿器系以外に原因があって […]

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神経の話
犬の髄膜腫の治療成績は、年々向上しているので、手術は選択肢として現実味を帯びてきている。

高齢な犬がけいれんを起こしたり、さらに、発作がないときにグルグルと回ったりするとき、脳腫瘍か、脳炎か、脳梗塞か、だいたいこの3つが予想される。構造的てんかんと考えて、抗てんかん薬を開始する。飲み薬と緊急用の点鼻薬。構造的 […]

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行動の話
犬がなぜ攻撃行動を起こすのかについて、情報の背景を知って選び取ってほしい。

パラダイムシフトは起きている。 犬の攻撃性への対応には、「犬の優位性を抑える」とか、「主従関係を重視する」という考え方を支持する傾向が、いまだに少なからずある。 これは、これまで、” 飼い主より先に犬に食事を与えたり、散 […]

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神経の話
高齢の犬でも特発性てんかんは起こり得る。ただし、大脳徴候と発作型の変化を見過ごさないようにする。

セオリーに従えば、高齢犬がけいれん発作を起こしたら脳腫瘍は必ず疑う。しかし、高齢の犬でも特発性てんかんは珍しくない。おそらく遺伝的にてんかんの素質は持っていながら、高齢になるまでたまたま発症しないということなのだろう。 […]

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行動の話
犬猫の不安障害に関するアメリカのデータを、秦野市に当てはめてみた。

犬と猫の不安障害のデータがアメリカにはあるらしい。2013年の論文だが、それによると、犬の29%に何らかの不安障害の経験があるそうだ。また、別の論文では、これも2013年のものだが、飼い主の78%が、猫に何らかの不安行動 […]

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神経の話
犬が初めて発作を起こしたときに、心に留めておいてほしいこと。

一緒に暮らす犬が、発作を起こしたら、きっと動転する。どうしていいかわからないはずだ。しかし、発作は、必ずといっていいほど、そのうち止まる。まずは、落ち着くこと。そして、発作の様子を動画に撮る。都合がついたら、それをかかり […]

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行動の話
認知症を思わせる犬の診療の進め方。脳や体の病気、痛み、心理的要因、すべてを並行して考える。

寝つかない、徘徊する、音に敏感になった。高齢の犬に見られるようになった行動の変化に対して、認知症を疑って認知機能不全の評価を行う。結果が基準値以下だった場合、その時点で完全に認知症を否定はしないが、ひとまず頭の片隅に置い […]

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神経の話
口部顔面自動症。引きつったり、ピクピクしたり、猫のけいれんは顔から始まることがある。

状態の安定している、てんかんを持つ若い猫が発作を起こす。猫の特発性てんかんは5割以下。若くても構造的てんかんは十分に考えられる。抗けいれん薬の血中濃度を測定して、上限まで増量できる余地があるかを評価する。さらに、脳脊髄液 […]

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行動の話
猫の様子がおかしいとき、その原因が行動か神経かまで絞れたら、使える薬がある。

留守中のペットの様子はカメラがあってもすべてを把握できるとも限らない。外出先から戻って来て、猫の様子がおかしいことに気づくことがたまにある。トイレ以外の場所で粗相をしていたり、暗いところに隠れたがったり。そんな光景が帰宅 […]

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行動の話
複数の犬が同時に吠える。その原因が社会的促進であることを見分ける一つの方法。

複数の犬に一斉に吠えられると、圧倒される。ペットホテルなどで複数の犬を預かったとき、人の気配や物音に反応して、ほぼ同時に吠え出すことがある。小型犬の甲高い吠え声は、眼の奥が揺れるほどに響く。同時に、感情が負の方向に揺さぶ […]

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