神経の話

神経の話
物音に対して敏感過ぎる猫。それが異常行動に伸展する場合には、聴原性反射性発作を疑う。

5歳の雑種猫は、物音に敏感だ。例えば、ビニールのガサガサ音。それと、家族の人の素早い動き。このように、引き金は視覚刺激と聴覚刺激だ。その刺激に対する反応が鋭すぎるのだ。ピキーンと一瞬にして神経が高ぶる。瞳孔が開いて殺気立 […]

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ガクガクガクッ。電撃的な体のビクつきは、ミオクロニー発作を疑え!

14歳のトイ・プードルは、てんかんの症状があるとのことで来院した。腰を抜かす。プルプル震える。グルグル回ってバランスを崩してへたり込む。おおまかにそんな訴えだった。普通、この症状を聞いて、てんかんとの考えにはなかなか至ら […]

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てんかん診療の進め方。厳密な診断基準に沿いながら、飼い主の感情を組み入れる。現場で役立つカスタマイズ。

1ヶ月間隔で2回、犬が発作を起こしたが、どう考えればよいかとの相談を受けた。てんかんの可能性はあると答えた。他の原因もあるかもしれないが、てんかんではない、とは言えない。他の原因も頭の片隅に置きつつ、経過を見守るのだ。基 […]

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脳炎? 特発性てんかん? それとも? 典型的でない症状が見られたときは、決め打ちせず、慎重に見極める。

6歳のマルチーズは、とても元気な性格で、はしゃぐことが多かった。飼い主によれば、何かスイッチが入ると、ヒートアップするのだという。ある日、いつもと同じように興奮した後に、倒れた。震えて口を大きく開けて、叫び声を上げた。体 […]

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頭を持ち上げない。目がうつろ。首が硬く感じる。こんなときは、頚部痛を疑う。診療の進め方を徹底解説!

床置きの食器にドライフードが入っている。10歳の小型犬MIXは、当然、首を下げて食べる。犬の一般的な食事風景だ。飼い主が撮影して持参した動画はこうして始まった。そのうち、犬は食べるのをやめた。背骨と平行になるくらいの高さ […]

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けいれんを止めるだけでも意味はある。原因がそのままでも許されるケースとは。

けいれんを起こしたとの一報が入った。16歳の小型犬mixが飼い主に抱きかかえられてやって来た。診察台に横たえられた犬は、意識はおぼろげで、少しもがくように、前足を動かしている。自宅から病院に到着するまでの間に、激しいけい […]

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基準値内でも下がってきたら、要注意!知っておくべき抗てんかん薬の耐性発現。

11歳のチワワが、1年ぶりにけいれん発作を起こした。ずっと安定していたところに突然の報告だった。すぐに、いつも飲んでいる薬に加えて別の薬を追加した。けいれんを抑える作用が早く現れる、頓服で使える薬だ。1年前に大学病院を受 […]

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喉の腫れは、甲状腺癌か。脳転移を疑った犬に何ができたか。次々と現れる大脳症状を食い止めるためには。

20㎏ほどもある12歳のボーダーコリーは、咳をするとのことで来院した。喉元を触ってみると、10㎝くらいの硬い塊を感じた。明らかに、皮膚の下にある喉の構成成分の形態が大きく変化していることがわかった。腫瘍を疑った。経験上、 […]

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1剤ではコントロールができなかった特発性てんかんの犬。2剤、3剤と微調整を重ねて、1年かけて安定させた。

診察台に四つ足で立ったまま、ボーっとしている。ハチの広い、短毛でフォーンのチワワは、少しだけユラ~っとして、今にも眠ってしまいそうだ。触診していれば、その刺激で目は開くが、手を離して飼い主と話していると、いつの間にか目を […]

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この嘔吐は、てんかんの症状だろうか? 嘔吐とてんかんの関連について、このように考えた。

16歳のトイ・プードルが、てんかんの診療に来院した。その症状は、“ 嘔吐 ” だという。瞬間的に、飼い主の思慮深さを感じた。” 嘔吐” と "てんかん" を結びつけるには、一般的には乖離がある。この乖離が埋まる経験をして […]

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