2023年7月

神経の話
エネルギー利用の鍵となる「通貨」を補給すると、高齢な動物の生理・運動機能を高めてあげることができる。

17歳の柴犬は、右側に回るように歩き、左の前足は裏返って、手の甲を床に引きずっている。家では、フードを食べようとしても、距離感がつかめないようで、ついばむようにして口が床にぶつかるという。認知症、脳梗塞、脳腫瘍、加えて、 […]

続きを読む
行動の話
グルグル回って、しっぽや腰を咬む。若い犬のこの行動は、常同障害か、脊髄疾患か、てんかんか。

自分のしっぽと太ももを咬む犬が来た。流血している。診察を待っている間にも、咬んだらしい。いざ、診察。こっちに興味を示して、手をペロペロと舐めてくれて、落ち着いているように見えた。しかし、首輪から垂れているリードが腰やしっ […]

続きを読む
神経の話
小型犬が震える、怖がっている、キャンと鳴く。そんなときは、後頭部から首にかけての異常もあるのかもしれない。

構造的てんかんの鑑別のために、大学病院を受診してもらった、若齢のチワワと高齢のチワワ。どちらも明らかな異常はなく、特発性てんかんと診断された。 偶発的に、骨格異常が見つかった。報告書には、こう書いてある。若齢の方は、後頭 […]

続きを読む
行動の話
攻撃を発動させないために、犬がくわえた物の取り返し方をマスターしておこう。

そもそも、「ちょうだい」のコマンドで、口から出すことを教えておいて、それができていればよいが、それができていないときは、とにかく丁寧に取り返すしかない。 特に犬は、物を守る本能が強い。取り上げる行為は、飼い主に対する不信 […]

続きを読む
神経の話
犬の脳炎は、症状を出したり出さなかったりするので、けいれんが増えたときは、MRIと脳脊髄液検査をした方がいい。

若い小型犬がけいれんを起こした。一般的な検査で、特発性てんかんと暫定的に診断し、抗けいれん薬を開始した。しばらく安定していたが、あるとき、群発発作を起こした。ヒヤッとした。もしかして、違うのか、と。脳炎かもしれない。若い […]

続きを読む