行動の話
猫の動きがおかしいとき、使える薬がある。
家を留守にしていて、外出先から戻って来てから、猫の様子がおかしいということで、飼い主がその猫を連れてやって来た。猫に不自然なところはない。行動の問題か、神経の問題か、どちらかのような印象だった。トイレ以外の場所で粗相をし […]
競い合うプードル(社会的促進)。
複数の犬に一斉に吠えられると、圧倒される。ペットホテルで預かった同居のトイ・プードル2頭は、若さ故なのか、元気に吠える。同居だから、2頭一緒の方が落ち着くかと思って、同部屋にした。彼らは、人の気配や物音に反応して、ほぼ同 […]
鳴くヨーキー(恐怖と不安)。
「急に鳴くようになったんですが、認知症でしょうか?」 小さな犬を抱えた飼い主は、診察室に入ってすぐ、こう言った。15歳のヨークシャーテリアが、ちょこんと診察台の上に置かれた。高齢犬が鳴くと言えば、認知症を最初に思い浮かべ […]
犬が攻撃する理由は、9種類ある。
攻撃の定義は、「 ”自らの目的を敵に強制” するために、戦力を行使する行動 」である。唸ったり、咬んだりする行動。犬の場合、これが攻撃行動ということになる。 犬が嫌がることをされて、最初は我慢していても、ついに繰り出す攻 […]
鋭いプードル(吠えに対する初期対応)。
穏やかな昼下がり。ソファの上で、体を折りたたんで休んでいる。突然、その若いトイ・プードルは、ぱっと頭を上げ、窓の方に目をやる。柔らかな陽が差し込んでいるだけのようだが、黒々とした瞳の奥は、はっきりとした意思を持っている。 […]
怖がるプードル(全般性不安障害)。
そのプードルは、これまで何度か、体が痛そうとか、震えているとかで来院し、診察や検査をしても、明らかな異常が認められずにいた。 あるとき、どうやら、大きな音がした後や、雷の日、そして、その翌日に、そういった症状が見られてい […]
不安のない診察のために。~fear free pre-visit pharmaceuticals~
「怖がって震えている動物に、なぜ何も対策をせずに処置をするのか。」 アメリカの動物病院では、犬や猫に、躊躇なく鎮静剤を使うことが知られている。アメリカでは、大型犬が多く、保定に人員を要することと、動物に優しくというコンセ […]
人間への従順性には、2通りある。
従順とは、おとなしく、素直で、逆らわない性質や態度のことを言う。自己主張しないとか、他人の言いなりだとか、人間界では、ネガティブなニュアンスで使われることのある言葉だ。一方、人間以外の動物界ではどうだろうか。動物での「従 […]
問題行動の診療(ビーグルの吠え)【4】
前々回は、吠えのきっかけを2つに絞り込み、前回は、その対策として、お家で飼い主様にしていただいた行動修正法をご紹介しました。 今回は、当院で行った対策をご紹介します。 来院後、ケージに入れる前に、スタッフが交流したり、遊 […]
問題行動の診療(ビーグルの吠え)【3】
前回は、吠えのきっかけを2つに絞り込みました。 社会的要求(人や犬と触れ合いたい、遊びたい、関りを持ちたいという要求) 障壁に対する不満(閉じ込められていることへの不満) そして、これらに対して、行動修正法を実施しました […]