行動の話
猫のおなかの脱毛した皮膚。何かストレスを感じているのかもしれない。猫同士の関係性を見極めて、生活環境に手を加える。
3歳のメスの雑種猫のおなかの皮膚に、直径3㎝の楕円形の脱毛が見つかった。その脱毛した皮膚は、全体的に湿っていて、端の方は少し赤く、薄黄色くもなっていて、ほんのり化膿している様子だった。舐めている。この猫の行動が読み取れた […]
ダックスの本気咬み。薬物療法とトレーニングを組み合わせて、双方の折り合いをつけながら、改善を目指す。
行動診療を始めて9ヶ月ほどが経った3歳のダックスは、診察室の中で吠える頻度が減った。問題とされる行動は、うなる、吠える、咬む。当院で行ったことは、抗不安薬の処方と、吠えていないときにごほうびのボーロをあげることだ。9ヶ月 […]
2 歳の柴犬が激しく口元を掻く。この行動の意味は? きっかけは? そして、放置するとどうなるか?
好きな人に会って、楽しく夢中になれる時間を過ごす。でも、それは永遠には続かない。いずれは離れなければならない。後ろ髪を引かれながら、おとなしく飼い主に連れて行かれる。車で出かけるのはウキウキするが、散歩となれば話は違う。 […]
野性の血が濃いベンガル。それゆえに問題行動が現れやすい。矯正はできないので、ともに暮らすときは、すべてを受け止めよう。
当院の行動診療では、野生の猫種に近縁な猫は、品種の特性上、期待する効果を得られないかもしれないので、その点を了承いただいた上で、受診を検討していただいている。「野生の猫種に近縁」とは、野生猫とイエネコの混血種のことだ。例 […]
排尿でも排便でも、トイレの失敗は、生きにくさの表れなのかもしれない。猫の暮らしぶりから心模様を察してあげよう。
猫がどの程度ストレスを感じているかは、飼い主にはわからないことが多い。いつもと変わらないけど…。そんな風には見えないけど…。診察室で飼い主からこのような言葉をよく聞く。しかし、猫自身はサインを出していることがある。その一 […]
目の色を変えて吠え続ける犬。この興奮をどう鎮めるか。素質や特性をつかんで、適切な薬物療法を施す。
犬が吠え続ける、興奮し続けるといったように、ある行動が許容範囲内でおさまらずに、異常なまでに持続してしまう場合、脳内の一部の神経回路の異常が原因であることが報告されている。動物が何かの行動を起こすときには、神経の細胞に電 […]
抗うつ薬を減らして現れた離脱症状。その対処をする中で、思いがけず出会った別の薬。犬の尾追い行動を緩和できた。
安定させるまではひと苦労なのに、その安定した状態は、ちょっとしたことで一瞬にして崩れ去ってしまう。神経に作用する薬剤には、すぐにはやめられないものがある。それは、突然やめると、急激に悪化するからだ。抗てんかん薬や抗うつ薬 […]
認知症の犬が感じる不安感。それを見て飼い主が感じる不安感。悪循環を断ち切るために、犬の薬物療法とともに、飼い主の心のケアも欠かせない。
夜中に犬がずっと息切れをしていたから眠れなかった。飼い主はそう言って、14歳のボーダーコリーを連れて来た。呼吸器系の症状は、深刻な事態を連想させる。よく来る犬なので、様子はちょこちょこ確認できていた。振り返ってみると、こ […]
布団やマットに排尿するマンチカン。不適切な排泄の対策の一つ。間取りに合わせてトイレの配置を工夫する。
3歳のマンチカンは、不適切な排尿を主訴に来院した。布団やマットに排尿するらしい。前提として、膀胱炎はないようだ。毎回十分量の排尿があり、頻尿はない。トイレは1階のリビングに3つ。内訳は、一般的なプラスチック製の猫用トイレ […]
犬のハエ咬み行動の診療には時間がかかるし、確定も難しいことが多い。焦らず、細かく、犬の行動を観察すること。
飼い主が差し出したスマートホンの画面には、1歳のボーダーコリーが映っている。場所は飼い主宅のリビング。ソファの上に乗って、天井を見上げている。頭を左右に振り、何かを目で追いかけているように見える。時折、パクッと口を動かし […]