行動の話

行動の話
認知症の犬が感じる不安感。それを見て飼い主が感じる不安感。悪循環を断ち切るために、犬の薬物療法とともに、飼い主の心のケアも欠かせない。新着!!

夜中に犬がずっと息切れをしていたから眠れなかった。飼い主はそう言って、14歳のボーダーコリーを連れて来た。呼吸器系の症状は、深刻な事態を連想させる。よく来る犬なので、様子はちょこちょこ確認できていた。振り返ってみると、こ […]

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布団やマットに排尿するマンチカン。不適切な排泄の対策の一つ。間取りに合わせてトイレの配置を工夫する。

3歳のマンチカンは、不適切な排尿を主訴に来院した。布団やマットに排尿するらしい。前提として、膀胱炎はないようだ。毎回十分量の排尿があり、頻尿はない。トイレは1階のリビングに3つ。内訳は、一般的なプラスチック製の猫用トイレ […]

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犬のハエ咬み行動の診療には時間がかかるし、確定も難しいことが多い。焦らず、細かく、犬の行動を観察すること。

飼い主が差し出したスマートホンの画面には、1歳のボーダーコリーが映っている。場所は飼い主宅のリビング。ソファの上に乗って、天井を見上げている。頭を左右に振り、何かを目で追いかけているように見える。時折、パクッと口を動かし […]

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背景にある、かゆみのストレスを抑えて、あえて距離をとる。アレルギーを持った、怒った猫への対処法。

2歳のサイベリアンが、最近、飼い主に対して威嚇するようになったという。しかし、特段、驚くほどのことではないと思った。これまで、病院のホテルで預かることがあったとき、ケージに近づくと、「シャー」としかめっ面で無声音を発する […]

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2ヶ月で5割減、8ヶ月で9割減。トイ・プードルの尾追い行動は、診療開始からじわじわと改善していった。

3歳を迎えたトイ・プードルは、診療開始から8ヶ月で、問題行動がほぼなくなった。幼齢期のころから自分の尾を気にする仕草があり、そして、クルッと回る、尾追い行動が見られていた。そのうち、不快なときや葛藤を感じたときに、特にそ […]

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吠えに対して、エネルギー発散不足の解消に取り組んでいた犬。不安や恐怖の感情も持ちあわせていることがわかり、別のアプローチも追加した。

スケジュールを立てる能力を持っている動物は、人間だけなのだそうだ。誰と会う、何をする。未来を計画して、期日を決める。これが、人間と他の動物を分ける特徴の一つらしい。他の動物は、先を見越した行動はとらないとされている。ただ […]

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若い犬の尾追い行動。早めに気づいて、飼い主の関わり方を適切に変えることが、将来の問題行動を防ぐことに役立つ。

5ヶ月齢の小型犬MIXが健診で来院した。ひとしきり診察をして、その終わり際に、飼い主からちょっとした相談を受けた。ぐるぐるとしっぽを追いかけることがあって、それがなぜなのか、ということだった。尾追い行動だ。尾追い行動は、 […]

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常同行動には、薬物療法が絶対的に必要。ダックスの体の傷は、心の傷になってしまった。

去勢手術の後から患部をしきりに気にするようになってしまった2歳のダックスは、元々吠えることが多かった。窓から見える鳥、インターホンの音、来客。これらがスイッチとなっていた。周りの音をかき消すほどの声量と、部屋中に響き渡る […]

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前に進みたいけど、進めない。散歩中の犬の葛藤。犬とすれ違うとき、どう対処すればよいか。

犬の散歩中、遠くから同じように、犬の散歩をしている人がこちらに向かってくる。このままだと、至近距離ですれ違うはずだ。こっちの犬の耳が前に向く。前方に注目しているのがわかる。目の色が変わった。あっちの犬の存在に気づいたのだ […]

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家庭に子どもが増えたとき、犬の心身に起こる変化。新たな秩序に慣れるまで、待つ心構えが必要だ。

家庭に人間の子どもが新たに生まれて加わることは、犬にとってはおおきな環境変化だ。今までいなかった別の生き物が、突然家の中にいる。元々不安感が強く、怖がりな性格の犬であれば、この変化にすぐにはついていけないことが多い。 し […]

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