神経の話

神経の話
認知症の犬に消炎鎮痛剤を投与する2つの理由。関節痛に対する鎮痛効果と、脳の炎症説に対する消炎効果。

夜中に急に立てなくなって、震えと夜鳴きが始まったミニチュア・ダックス。16歳。まっさきに、認知症を疑った。早速、抗酸化成分の入ったサプリメントを開始した。そうしたら、2週間で改善が見られた。このように、個体差はあるが、サ […]

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心臓病の高齢猫が倒れた。だが、その症状は、神経病にも似ている。すべてのバランスをとりながらの管理が始まった。

夜間病院へ駆け込んだ飼い主は、18歳の猫を連れていた。診察の結果、血栓塞栓症と診断された。適切な処置を受けた後、翌朝、その足で当院へやって来た。到着した猫は、落ち着いていた。 両側の股動脈は触ることができた。詰まっていた […]

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自律神経に作用する甲状腺ホルモンは、神経病を思わせる症状を現す。でも、その神経症状は、他の病気が原因になっていることもあり得る。

交感神経とか副交感神経とか、こういった自律神経に関わる疾患は、神経病を思わせる症状を見せる。喉元にある甲状腺という小さな器官は、ホルモンを作って、血液の中に流し込み、全身に行き渡らせる。この甲状腺ホルモンは、自律神経のう […]

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特発性てんかんの管理の際の原則:血中濃度の定期的な測定と減薬しない説明

2歳齢のトイ・プードルは、特発性てんかんと診断され、抗てんかん薬を服用していた。1年間、発作は出ていなかった。そこで、飼い主の負担を勝手に想像して、よかれと思って、減薬を提案した。薬の量を25%だけ減らした。3週間後、発 […]

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エネルギー利用の鍵となる「通貨」を補給すると、高齢な動物の生理・運動機能を高めてあげることができる。

17歳の柴犬は、右側に回るように歩き、左の前足は裏返って、手の甲を床に引きずっている。家では、フードを食べようとしても、距離感がつかめないようで、ついばむようにして口が床にぶつかるという。認知症、脳梗塞、脳腫瘍、加えて、 […]

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小型犬が震える、怖がっている、キャンと鳴く。そんなときは、後頭部から首にかけての異常もあるのかもしれない。

構造的てんかんの鑑別のために、大学病院を受診してもらった、若齢のチワワと高齢のチワワ。どちらも明らかな異常はなく、特発性てんかんと診断された。 偶発的に、骨格異常が見つかった。報告書には、こう書いてある。若齢の方は、後頭 […]

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犬の脳炎は、症状を出したり出さなかったりするので、けいれんが増えたときは、MRIと脳脊髄液検査をした方がいい。

若い小型犬がけいれんを起こした。一般的な検査で、特発性てんかんと暫定的に診断し、抗けいれん薬を開始した。しばらく安定していたが、あるとき、群発発作を起こした。ヒヤッとした。もしかして、違うのか、と。脳炎かもしれない。若い […]

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認知症用のサプリメントは、症状が軽いうちから始めた方がいいが、ある程度進行してからでも効くことはある。

14歳の小柄で痩せたトイ・プードルは、診察台の上で、興奮気味だ。顔に手を近づけただけで、咬もうとする。抱こうにも嫌がって、ジタバタする。鳴き声を上げる。慎重な扱いが必要だ。脳の中のストッパーが外れたみたいに、放っておけば […]

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犬の髄膜腫の治療成績は、年々、向上しているので、手術は、選択肢として現実味を帯びてきている。

13歳のトイ・プードルが、突然けいれんを起こした。さらに、発作がないときに、右側にグルグルと回る。脳腫瘍か、脳炎か、脳梗塞か。だいたいこの3つが予想される。構造的てんかんとして、抗てんかん薬を、早速、開始した。2種類の飲 […]

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高齢の犬でも、特発性てんかんは起こり得るのではあるが、変化を見過ごしてはならない。

セオリーに従えば、高齢犬がけいれん発作を起こしたら、脳腫瘍は必ず疑う。しかし、高齢の犬でも、特発性てんかんは、珍しくないらしい。おそらく遺伝的にてんかんの素質は持っていながら、高齢になるまでたまたま発症しないということな […]

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