猫の顔のピクピク。全身のけいれんの前兆かも。顔に起きる小さな異変に先手を打つ!

「高齢な猫がけいれんを起こした。」

そう飼い主から打ち明けられたとき、まずは本当に「けいれん」なのかどうかを見極める。横たわって全身がガチガチに硬直して、ガタガタ震える。顔はこわばり、口は開いて苦しそうな表情をしている。瞳孔は開いて意識がはっきりしているようには見えない。

このような様子であれば、おおむね「けいれん」であると判断できる。猫の場合は、そもそも若くても遺伝以外の脳に起きる異常を発端とするてんかんが犬よりは多いが、高齢となるとなおさら脳腫瘍や脳梗塞、高血圧などもあり得るので、「ついに出てしまったか」と残念な気持ちが湧き上がる。

しかし、飼い主の次の一言で最悪の事態を免れる期待が沸き上がる。

「以前から顔がピクピクするんです。」

なるほど。口部顔面自動症だ。これは文字通り、口や顔が勝手にピクピク動いてしまう症状のこと。ということは、猫側頭葉てんかんの可能性が濃厚になり、おそらく遺伝だろうという解釈になる。つまり、脳腫瘍や脳梗塞、高血圧はひとまず考えなくてよくなる。

であれば、一般的に猫に使われる抗てんかん薬をすぐに処方して、その頻度が減少するかどうかを飼い主に観察してもらう。

「顔のピクピクがなくなった。」

1週間から10日くらいでその効果は目に見える形となって現れる。全身のけいれんをどれだけ抑えられるかはそこから先の話だが、逆を言えば、猫の顔のピクピクは全身のけいれんの前兆であり、それに気づいた時点で薬を始めれば、猫が辛く苦しい思いをすることを防げるはずだ。