行動の話
常同行動は不安や葛藤、高揚といった感情がきっかけになる。薬物と行動療法で神経回路の再構築と行動修正を目指す。
手術後に患部をしきりに気にするようになる犬は、元々デリケートなことが多い。窓の外に見える鳥、インターホンの音、来客。様々な刺激がスイッチとなって吠える。吠えることで嫌なことを排除できた成功体験が拍車をかけるのかもしれない […]
前に進みたいけど進めない。散歩中の犬の葛藤。犬とすれ違うときにどう対処すればよいか。
犬の散歩中、遠くから同じように犬の散歩をしている人がこちらに向かってくる。このままだと至近距離ですれ違うはずだ。こっちの犬の耳が前に向く。前方に注目しているのがわかる。目の色が変わった。あっちの犬にロックオンだ。 前のめ […]
家庭に子どもが増えたとき、犬の心身に起こる変化。新たな秩序に慣れるまで、待つ心構えが必要だ。
家庭に人間の子どもが新たに生まれて加わることは、犬にとってはおおきな環境変化だ。今までいなかった別の生き物が突然家の中にいる。元々不安感が強くて怖がりな性格の犬であれば、この変化にすぐにはついていけないことが多い。 しか […]
前庭疾患や認知症の症状は、脳腫瘍の別の顔かもしれない。辻褄が合うのであれば薬の選択肢を増やせる。
高齢な犬がぐるぐる回る。そのうち尻もちをついてもがいて起き上がれない。そこでイライラして泣き叫ぶ。こんな状況に直面する飼い主は辟易だ。眼をよく見ると水平にゆっくり動いて素早く戻るを繰り返している。水平眼振だ。それで体が回 […]
犬の前庭障害は人間のメニエール病に似たような病気だが、三半規管のトラブルだけではないこともある。
ふらつきは脳の異常やある種の薬を飲んでいても現れることがあるが、三半規管のトラブルが原因となっていることはよくある。たいがいは体が左右のどちらかに向こうとして、顔をじっと見てみると眼球がゆっくりと左右どちらかに動いている […]
高齢犬の夜鳴き。認知症ではなく運動が少なくてエネルギーがあり余っているからということもある。
高齢な犬が夜に鳴くというと認知症をまっさきに考えるが、そうとも限らないこともある。認知症が疑わしいのかどうかは専用の評価表に沿って見極めるが、診察時の様子を見ただけでもわかることがある。 落ち着いた様子で周りをキョロキョ […]
犬の尾追い行動の治療は、飼い主の前向きな姿勢が鍵となる。初期対応と薬物療法で改善をたぐり寄せる。
尾追い行動の予兆は幼齢期から見られている。しっぽの方をしきりに気にする様子。最初はこれである。それが成犬になっても治まらず、むしろ程度はひどくなり、激しくグルグル回るようになってしまう。MRIで頭からしっぽまで異常がない […]
パニックになった猫をきっかけとして、別の猫との関係性が悪化。文脈に沿った正当な方法をいくつか重ねることで改善を目指す。
猫が複数頭で生活する。その中で関係性がこじれることがある。例えば、何かをきっかけとして1頭がパニックを起こす。それを目撃した別の1頭が驚いて怒り出す。そこから2頭の激しい喧嘩が始まる。沈静化したとしても不安や恐怖、葛藤と […]
犬の食べムラにどう対応するか。気にかけすぎることが逆効果になる犬もいる。毅然とした関わり方を身につけよう。
自宅ではフードをなかなか食べないとか、食べムラがあるとか、犬の食べ具合とか食べ方とかで飼い主は悩むことがある。 フードをあげてもすぐに食べず、しばらくして見に行っても食器の中にはほとんどそのまま残っている。フードが散らば […]
犬が犬とどう関わるかは、犬同士の触れ合いの中でわかり合うもので、それを人間が犬に教えることはできないのかもしれない。
犬が散歩中などに他の犬を見かけると走り出して向かっていこうとする。その様子からすると表情はうれしそうだし、しっぽを振っているし、少なくともネガティブな感情は見て取れない。興味があって遊びたいのだろうと解釈できる。でも、咬 […]