不安を抑えたり、睡眠に入りやすくしたり、薬の効果は、その日、そのとき、その犬や猫によって様々なので、微調整が肝になる。

16歳の柴犬は、右側にぐるぐる回る。そのうち、尻もちをついて、それでも右を向こうとするので、起き上がれない。そこでイライラして、泣き叫ぶ。そんなことを、家でも繰り返すらしい。鳴り響く悲鳴に飼い主は、辟易としていた。

眼をよく見ると、右へゆっくり動いていて、それを反射的に左に戻している。水平眼振だ。それによって、右側に回っているのかもしれない。でも、認知症も否定できないので、両方の対策を同時に行うことにした。

シャンプーするときに苦労するのだそうだ。このような状態では当然だ。サロンのスタッフさんが困るので、かかりつけの病院から鎮静剤を処方してもらって、毎回飲ませてからサロンに行くらしい。でも、あまり効かず、フラフラするだけなのだそうだ。

めまいに対する内服と一緒に、抗不安薬を処方した。次の日、試してもらったら、夜は8時間眠ったそうで、飼い主も安心していた。次の日、1/4の量にしたら、効果が弱かった。サロンに行くときは、1/2の量にしてもらう。こうした微調整が肝なのだ。