行動の話
グルグル回ってしっぽや腰を咬む。常同障害か、脊髄疾患か、てんかんか。もはやきっかけはわからないが、整理して診療を進める。

自分のしっぽや太ももを咬むという行動は、犬では見かけることがある。柴犬はそもそも尾追い行動がよく見られる犬種として有名だが、他の犬種でもあり得る。咬み過ぎて流血することもある。ひどくなると、首輪から垂れているリードが腰や […]

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神経の話
小型犬が震える、怖がっている、キャンと鳴く。そんなときは、後頭部から首にかけての異常もあるのかもしれない。

構造的てんかんの鑑別のために大学病院を受診して、明らかな異常がないということで特発性てんかんと診断されることは、若くても高齢でも犬ではよくある。 MRIでは頭部全体を撮影するので、大脳だけでなく小脳や延髄、頭蓋骨に形の異 […]

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行動の話
攻撃を発動させないために、犬がくわえた物の取り返し方をマスターしておこう。

そもそも「ちょうだい」のコマンドで口から物を出すことを教えておいて、それができていればよいが、それができていないときはとにかく丁寧に取り返すしかない。 特に犬は物を守る本能が強い。取り上げる行為は飼い主に対する不信感を植 […]

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神経の話
犬の脳炎は症状を出したり出さなかったりするので、けいれんが増えたときはMRIと脳脊髄液検査をした方がいい。

若い小型犬がけいれんを起こしたとき、一般的な検査で特発性てんかんと暫定的に診断し、抗けいれん薬を開始することが多い。でも、しばらく安定していたのにあるとき群発発作を起こす。こんなとき、もしかして脳炎かもしれないと考える。 […]

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行動の話
子犬の夜鳴きに困ったら、何を置いても、遊ぶ、遊ぶ、遊ぶ。

毎日これが続くのかと思ったら途方に暮れた。でも、過ぎてしまえばそんなこともあったなぁで終わってしまう。毎日3時間おもちゃで遊び続けた。真剣におもちゃを投げたり引っ張りっこをした。犬はいつの間にか落ち着いた。気が済んだのだ […]

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神経の話
認知症用のサプリメントは症状が軽いうちから始めた方がいいが、ある程度進行してからでも効くことはある。

診察台の上で興奮気味になる高齢な犬とよく遭遇する。顔に手を近づけただけで咬もうとする。抱こうにも嫌がってジタバタする。鳴き声を上げる。慎重な扱いが必要だ。脳の中のストッパーが外れたみたいに、放っておけば駆け出してしまいそ […]

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行動の話
猫の特発性膀胱炎の本質は、泌尿器系以外のところにある。

比較的若い猫が、頻尿や血尿といった症状を示すことはよくある。特発性膀胱炎と診断をすることが多い。この猫の特発性膀胱炎という疾患は、膀胱炎という名称が付いていながら泌尿器系の病気ではない。実態は、泌尿器系以外に原因があって […]

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神経の話
犬の髄膜腫の治療成績は、年々向上しているので、手術は選択肢として現実味を帯びてきている。

高齢な犬がけいれんを起こしたり、さらに、発作がないときにグルグルと回ったりするとき、脳腫瘍か、脳炎か、脳梗塞か、だいたいこの3つが予想される。構造的てんかんと考えて、抗てんかん薬を開始する。飲み薬と緊急用の点鼻薬。構造的 […]

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行動の話
犬がなぜ攻撃行動を起こすのかについて、情報の背景を知って選び取ってほしい。

パラダイムシフトは起きている。 犬の攻撃性への対応には、「犬の優位性を抑える」とか、「主従関係を重視する」という考え方を支持する傾向が、いまだに少なからずある。 これは、これまで、” 飼い主より先に犬に食事を与えたり、散 […]

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神経の話
高齢の犬でも特発性てんかんは起こり得る。ただし、大脳徴候と発作型の変化を見過ごさないようにする。

セオリーに従えば、高齢犬がけいれん発作を起こしたら脳腫瘍は必ず疑う。しかし、高齢の犬でも特発性てんかんは珍しくない。おそらく遺伝的にてんかんの素質は持っていながら、高齢になるまでたまたま発症しないということなのだろう。 […]

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