行動の話
前庭疾患や認知症の症状は、脳腫瘍の別の顔かもしれない。辻褄が合うのであれば薬の選択肢を増やせる。

高齢な犬がぐるぐる回る。そのうち尻もちをついてもがいて起き上がれない。そこでイライラして泣き叫ぶ。こんな状況に直面する飼い主は辟易だ。眼をよく見ると水平にゆっくり動いて素早く戻るを繰り返している。水平眼振だ。それで体が回 […]

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神経の話
顔面のミオクローヌスはてんかんを連想させる。ハエ咬み行動をする犬が抱えるのは行動学的問題か脳疾患か。

空中に向かってパクパク何かを咬もうとする行動は、その対象物をハエに例えて、フライバイティングやフライキャッチングなどと呼ばれる。興奮したときや我慢、葛藤したときなど、精神が高ぶるときに多い。 この行動は、食道や胃、後頭部 […]

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行動の話
犬の前庭障害は人間のメニエール病に似たような病気だが、三半規管のトラブルだけではないこともある。

ふらつきは脳の異常やある種の薬を飲んでいても現れることがあるが、三半規管のトラブルが原因となっていることはよくある。たいがいは体が左右のどちらかに向こうとして、顔をじっと見てみると眼球がゆっくりと左右どちらかに動いている […]

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神経の話
てんかん発作、手足の麻痺、認知機能の低下は腫瘍の脳転移でよく見られる。壮絶な介護をする飼い主を支える。

腫瘍性疾患のケアをしていると、ときどき全身のけいれん発作を起こす事態に遭遇する。こういうときは脳に転移しているのだろう。特発性てんかんがこの年齢になって現れるとか、まったく別の腫瘍が脳にできてしまったとかもあり得るが。 […]

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行動の話
高齢犬の夜鳴き。認知症ではなく運動が少なくてエネルギーがあり余っているからということもある。

高齢な犬が夜に鳴くというと認知症をまっさきに考えるが、そうとも限らないこともある。認知症が疑わしいのかどうかは専用の評価表に沿って見極めるが、診察時の様子を見ただけでもわかることがある。 落ち着いた様子で周りをキョロキョ […]

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神経の話
ピクピクと腰の皮膚が波打つ猫。ピリピリとしびれが走っているのかもしれない。知覚過敏で猫自身も驚く。

朝、突然走り出したという猫の体には、ある一つの徴候が見られていた。腰のあたりの皮膚がピクピクと動いている。ピンと来てある疾患を想い起した。その後の発生頻度や症状の展開には注意が必要だ。 しばらくの経過観察中に、背中の皮膚 […]

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行動の話
犬の尾追い行動の治療は、飼い主の前向きな姿勢が鍵となる。初期対応と薬物療法で改善をたぐり寄せる。

尾追い行動の予兆は幼齢期から見られている。しっぽの方をしきりに気にする様子。最初はこれである。それが成犬になっても治まらず、むしろ程度はひどくなり、激しくグルグル回るようになってしまう。MRIで頭からしっぽまで異常がない […]

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神経の話
変性性腰仙椎狭窄症。後ろ足の爪がすり減っているとピンと来る。高齢の中大型犬で見られる腰仙椎の異常。

犬が立ち上がるときにふらつく。持っている代謝性疾患によっては体調不良からそうなることもある。貧血、低血糖、発熱などなど。その場合は、全身のふらつきだろう。一方で、上半身だけとか下半身だけとか、体の前か後ろかどちらかだけの […]

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行動の話
パニックになった猫をきっかけとして、別の猫との関係性が悪化。文脈に沿った正当な方法をいくつか重ねることで改善を目指す。

猫が複数頭で生活する。その中で関係性がこじれることがある。例えば、何かをきっかけとして1頭がパニックを起こす。それを目撃した別の1頭が驚いて怒り出す。そこから2頭の激しい喧嘩が始まる。沈静化したとしても不安や恐怖、葛藤と […]

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神経の話
認知症の犬に消炎鎮痛剤を投与する2つの理由。関節痛に対する鎮痛効果と、脳の炎症説に対する消炎効果。

高齢な犬で急に立てなくなったり、震えと夜鳴きが始まったりというと、まっさきに認知症を疑う。早速抗酸化成分の入ったサプリメントを開始すると改善が見られることがある。このように、個体差はあるが、サプリメントで短期間に効果が現 […]

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