首がピクピク頚部痛。薬で軽快してもX線検査でわかることは少ないので、疾患が潜んでいる可能性を飼い主に伝える。
犬自体は静かにしているのに首の皮膚だけがピクッピクッとリズミカルに動く。これをミオクローヌスという。「首がピクピク」は「頚部痛」というキーワードを連想させる。身体検査で手足に麻痺はない。X線検査では明らかな異常は見られな […]
常同行動は不安や葛藤、高揚といった感情がきっかけになる。薬物と行動療法で神経回路の再構築と行動修正を目指す。
手術後に患部をしきりに気にするようになる犬は、元々デリケートなことが多い。窓の外に見える鳥、インターホンの音、来客。様々な刺激がスイッチとなって吠える。吠えることで嫌なことを排除できた成功体験が拍車をかけるのかもしれない […]
脳幹の病変は油断できない。生命の危機の可能性をしっかりと伝えつつ、少しでも緩和できるように薬を使っていく。
脳をブロッコリーに例える。ブロッコリーの濃い緑色の部分はつぼみだ。そこから薄緑色の茎がつながっている。つぼみを大脳、茎を脊髄に例えると、つぼみに接する茎の部分は脳幹である。脳幹は、視覚、聴覚、呼吸、心拍、意識など、生命維 […]
前に進みたいけど進めない。散歩中の犬の葛藤。犬とすれ違うときにどう対処すればよいか。
犬の散歩中、遠くから同じように犬の散歩をしている人がこちらに向かってくる。このままだと至近距離ですれ違うはずだ。こっちの犬の耳が前に向く。前方に注目しているのがわかる。目の色が変わった。あっちの犬にロックオンだ。 前のめ […]
見た目は皮膚病でも皮膚の異常感覚や行動の問題のこともある。神経に作用する薬で落ち着かせる。
自分の皮膚を激しく咬む猫。ひどいときは患部の皮膚がベロリとめくれる。ノミがいれば駆除をするが、それでも症状は治まらなければ細菌性の皮膚炎の可能性に対して抗生物質を投与する。それでも変わらないときは、アレルギーか神経の疾患 […]
家庭に子どもが増えたとき、犬の心身に起こる変化。新たな秩序に慣れるまで、待つ心構えが必要だ。
家庭に人間の子どもが新たに生まれて加わることは、犬にとってはおおきな環境変化だ。今までいなかった別の生き物が突然家の中にいる。元々不安感が強くて怖がりな性格の犬であれば、この変化にすぐにはついていけないことが多い。 しか […]
抗てんかん薬の始め時を迷うことがある。そんなときは、点鼻薬を常備してもらえれば飼い主も獣医師も安心できる。
てんかんに対して投薬を勧めるかどうか迷うのはこんなときだ。中年齢の犬。今まで1年に1回程度の発作が起きていた。それが先月発作を起こし、そして昨日から今朝まで落ち着かない様子で小刻みに震えて歩き回る。この行動は以前にも発作 […]
前庭疾患や認知症の症状は、脳腫瘍の別の顔かもしれない。辻褄が合うのであれば薬の選択肢を増やせる。
高齢な犬がぐるぐる回る。そのうち尻もちをついてもがいて起き上がれない。そこでイライラして泣き叫ぶ。こんな状況に直面する飼い主は辟易だ。眼をよく見ると水平にゆっくり動いて素早く戻るを繰り返している。水平眼振だ。それで体が回 […]
顔面のミオクローヌスはてんかんを連想させる。ハエ咬み行動をする犬が抱えるのは行動学的問題か脳疾患か。
空中に向かってパクパク何かを咬もうとする行動は、その対象物をハエに例えて、フライバイティングやフライキャッチングなどと呼ばれる。興奮したときや我慢、葛藤したときなど、精神が高ぶるときに多い。 この行動は、食道や胃、後頭部 […]
犬の前庭障害は人間のメニエール病に似たような病気だが、三半規管のトラブルだけではないこともある。
ふらつきは脳の異常やある種の薬を飲んでいても現れることがあるが、三半規管のトラブルが原因となっていることはよくある。たいがいは体が左右のどちらかに向こうとして、顔をじっと見てみると眼球がゆっくりと左右どちらかに動いている […]