神経の話
犬の髄膜腫の治療成績は、年々、向上しているので、手術は、選択肢として現実味を帯びてきている。
13歳のトイ・プードルが、突然けいれんを起こした。さらに、発作がないときに、右側にグルグルと回る。脳腫瘍か、脳炎か、脳梗塞か。だいたいこの3つが予想される。構造的てんかんとして、抗てんかん薬を、早速、開始した。2種類の飲 […]
高齢の犬でも、特発性てんかんは起こり得るのではあるが、変化を見過ごしてはならない。
セオリーに従えば、高齢犬がけいれん発作を起こしたら、脳腫瘍は必ず疑う。しかし、高齢の犬でも、特発性てんかんは、珍しくないらしい。おそらく遺伝的にてんかんの素質は持っていながら、高齢になるまでたまたま発症しないということな […]
犬が初めて発作を起こしたときに、心に留めておいてほしいこと。
一緒に暮らす犬が、発作を起こしたら、きっと動転する。どうしていいかわからないはずだ。しかし、発作は、必ずといっていいほど、そのうち止まる。まずは、落ち着くこと。そして、発作の様子を動画に撮る。都合がついたら、それをかかり […]
猫のけいれんは、顔から始まることがある(口部顔面自動症)。
状態の安定していた、てんかんを持つ若い猫が、発作を起こしたと、飼い主から連絡が入った。抗けいれん薬を開始して、6ヶ月ほど経っていた。ずっと落ち着いていたのだが、この2週間で、3~4回、発作が起きているとのことだった。 最 […]
振り返るプードル(神経根徴候)。
一日のうちに、何度か突然後ろを振り返って、唸りながら腰のあたりをガジガジと咬む。その行動は、目が覚めている間だけでなく、眠っている時にも起きていた。眠っているのに、急に起き上がって、咬む。診察に訪れたのは、推定5歳のクリ […]
高ぶる黒猫(子猫のけいれん‐3‐)
3週間後、発作はまったく見られなくなっていた。念のために手元に置いてもらった併用薬は、一度も使わなかったとのこと。メインの抗けいれん薬だけで安定したようだ。これで、ひとまずは落ち着いた生活を送ることができる。ただし、これ […]
震える白い犬(ホワイトシェイカーシンドローム)。
全身の震えは、体が痛そうだと、飼い主は感じるようだ。来院時は、当然、緊張による震えがある。そして、その緊張によって、痛いところがあったとしても、なかなかそれを表現してはくれない。それどころではないという心境だろう。本当に […]
高ぶる黒猫(子猫のけいれん‐2‐)。
第一選択の抗けいれん薬の血中濃度が安定するまで、つなぎとして、別の抗けいれん薬を併用して4日。発作は完全に消えた。その間、ときどき点鼻薬を使うことはあったが、そのときの発作は軽かったとのこと。それ以降、発作の完全消失は、 […]
高ぶる黒猫(子猫のけいれん‐1‐)。
虹彩の黄色みが強い幼い黒猫は、食後にけいれんを起こすことが多いという主訴で来院した。体格は適正で、診察時の様子に変わったところは見られない。6ヶ月齢未満の猫でけいれんと知って、遺伝性、先天性、感染症といった原因を思い浮か […]
犬の認知症は、客観的に評価することができる。
人間同様に、ペットの犬や猫にも認知症(認知機能不全症候群)があることは、飼い主に普通に認識されるようになってきている。ただし、認知症の症状や発症時期は、様々だ。我が家の犬が認知症かもしれないと、どの段階で疑えるかは、飼い […]