てんかん発作、手足の麻痺、そして、認知機能の低下。転移か原発か。脳腫瘍を疑ったポメラニアンの壮絶な介護が始まった。

ある腫瘍性疾患のケアをしていた、13歳のポメラニアンが、全身のけいれん発作を起こした。腫瘍は肝臓と脾臓にあることがわかっている。脳に転移したのか、特発性てんかんがこの年齢になって現れたのか、まったく別の腫瘍が脳にできてしまったのか。真実はわからないが、原因を追究することにあまり意味はないように感じた。

とにかく発作を止める必要があったので、抗てんかん薬を開始した。それでも、ときどき発作が見られ、あるとき群発発作を起こし、その後から寝たきりになった。右側の手足がつっぱって、棒のように麻痺している。顔は左を向こうとしてのけぞっている。左脳領域に何かがあるのだろう。そうすると、右眼はおそらく見えていない。

目が覚めると、立ち上がれないので、バタバタする。居心地が悪いのか、喉が渇いたのか、体が痛いのか、なでたり体の向きを変えたりすると、落ち着く。日中は寝ていることが多かったのだが、そのうち、夜になったら眠らずに、泣き叫ぶくらい声を上げるようになってしまった。飼い主の疲弊が心配だ。

まるで認知症のようだ。やはり、脳腫瘍なのだろう。転移か原発かはわからないが、脳は障害されて、認知機能が破綻しているように見える。睡眠導入剤も追加して、薬は7種類になった。薬、水、流動食を飲ませて、マッサージや体位変換をして、排泄の管理をする。付きっきりの介護は、なかなか見通しがつかない。通院してもらいながら、少しでも支えていく。