ミオクロニー発作は全身のけいれんを起こす? ビクビクする高齢な犬の行く末やいかに。

光を見たときにビクビクする。目の前に手をかざすと、体がビクッとする。このように、視覚などの刺激をきっかけに、電撃が走ったかのように筋肉が瞬間的にビクビクと収縮する発作をミオクロニー発作と呼ぶ。一瞬で終わることが多いとはいえ、何度も繰り返す場合には犬にとって負担になる可能性がある。そのため、発作の原因を調べて必要に応じて早めに治療を検討したいところだ。では、ミオクロニー発作を起こす犬は、その後に全身のけいれんを起こすことがあるのだろうか。

日本では比較的なじみの少ないローデシアン・リッジバックという犬種の若い個体では、ミオクロニー発作を起こしたうちの約3割で、全身のけいれんを伴う発作が認められたと報告されている。また、日本でも見かけるビーグルやワイヤーヘアード・ダックスフンドでは、ラフォラ病という遺伝性疾患によってミオクロニー発作がみられることがあり、その約4割でその後全身のけいれんを起こす経過をたどるとされている。一方、高齢になってからミオクロニー発作を起こしたキャバリアでも、約2割で全身のけいれんが認められたという報告がある。

このように、若い犬でも、犬種によっても、高齢犬でも、ミオクロニー発作と全身のけいれんが同じ個体にみられることはあるようだ。当院でも、トイプードルやチワワ、柴犬などで、ミオクロニー発作について相談を受けることが多い。彼らはもれなく高齢であり、中にはミオクロニー発作に加えて全身のけいれんを起こす犬もいる。ただし、「ミオクロニー発作そのものが次第に全身へ広がって全身のけいれんになった」のか、「ミオクロニー発作と全身のけいれんを起こす全般発作という2種類の発作が、同じ犬に存在していた」のかは、明らかではないので、区別して評価する必要はある。

それでも、ミオクロニー発作を起こす犬で、将来的に全身のけいれんがみられる可能性があることは知っておいた方がいいだろう。特にビクビクの回数が増えてくると、突然けいれんを起こすこともある。発作の頻度を記録しながら、早めに獣医師と相談しておくことが大切である。「ビクビク」を見逃さず、「ビクビクしているだけ」と片づけないようにしたい。