猫のてんかん、投薬を始めながら考える。

若い猫が全身のけいれんを起こした。聞けばこの半年以内に同じような症状があったという。飼い主が撮影してくれた動画を見て、疑いようのない症状が確認できたので、てんかんであることは確実に思えた。典型的な側頭葉てんかんのようだった。

猫のてんかんの発生率は0.5~1%程度と見積もられていて、そのうち「特発性」てんかんと「構造的」てんかんが半々とされている。犬ではおおむね「特発性」が “7” で、「構造的」が “3” なので、猫は犬とは違った様相を呈する。

「特発性」とは、原因や発症のメカニズムが現在の獣医学や診断技術では明確に特定できない状態を指す。「構造的」とは、脳に先天的あるいは後天的な構造の異常があって、それが原因で起こることを言う。若い犬なら「特発性」に重点を置いた進め方でひとまず構わないが、若くてもそれが猫であれば「特発性」と同時に「構造的」の方も疑っていく。特に奇形と感染症だ。

「構造的」の場合は発作を起こしているとき以外の普段の生活のときも、何らかの神経症状が現れることがあるが、「特発性」ならてんかんではない猫とその様子はほぼ変わりない。これが見た目での大雑把な分け方だ。それでも猫であれば「特発性」の対処をしながら「構造的」を追究するかどうかを飼い主と相談する。どうするか答えはすぐに出ないことが多いので、検討しておいてもらう。その間、投薬を開始する。猫の側頭葉てんかんで第一に選択される薬を処方。これで初動はOK!

この後は、ふらつきや食欲不振など、抗てんかん薬の副作用が出ないかどうか、全身のけいれんとは異なる別の神経症状が出ないかどうか、途中経過で現れる症状にその都度対応していく。最初にMRI検査や髄液検査ができればいいのかもしれないが、原因が確実にわかる保証はない。

猫の状態と薬の効き方と飼い主の納得が大事!