心臓病の高齢猫が倒れた。だが、その症状は、神経病にも似ている。すべてのバランスをとりながらの管理が始まった。
夜間病院へ駆け込んだ飼い主は、18歳の猫を連れていた。診察の結果、血栓塞栓症と診断された。適切な処置を受けた後、翌朝、その足で当院へやって来た。到着した猫は、落ち着いていた。
両側の股動脈は触ることができた。詰まっていた血栓は、解けたのか。確かに、超音波検査で、肥大型心筋症であることは確認できた。入院中、動きも良く食欲もあり、3日後には退院とした。
2週間後、同じような症状で、また夜間病院へ行ったとの報告を受けた。今度は、血栓塞栓症ではないとの評価。これは、いよいよ別の病態や原因の可能性が高くなってきた。心臓は心臓でも、失神なのかもしれない。
それと、以前にけいれんを起こしたことがあるという。てんかんの疑いもありそうだ。心臓薬、血栓予防薬、抗てんかん薬を併用して、経過を観察することにした。決め手に欠ける場合は、すべてに対応した管理をすることが大切だ。