高ぶる黒猫(子猫のけいれん‐1‐)。
虹彩の黄色みが強い幼い黒猫は、食後にけいれんを起こすことが多いという主訴で来院した。体格は適正で、診察時の様子に変わったところは見られない。6ヶ月齢未満の猫でけいれんと知って、遺伝性、先天性、感染症といった原因を思い浮かべた。
猫のてんかんの診断は、国際標準の犬のてんかん診断の基準に、基本的には則るものとされており、それに従った検査では異常は検出されず。ただし、虹彩の色と、けいれんを起こすタイミングから、ある種の肝疾患の可能性がどうしても引っかかる。まずは、猫で第一選択とされる抗けいれん薬を開始して、けいれんの発生頻度が減るかどうかを観察することにした。同時に、発作が起きた時に使用する、頓用の点鼻薬も処方した。
数日後、点鼻薬を使い切ってしまったとのことで来院。発作の頻度は変わらないが、興奮する様子は減った印象があるとのこと。第一選択薬が安定して効果を発揮するまでに、まだ時間がかかりそうだし、薬の数を増やしても飲ませられそうだったので、効果発揮までのつなぎとして、別の抗けいれん薬を併用することにした。
この数日の発作が起こるタイミングは、食後ではないことの方が多かったらしいので、そうすると、食事との関連はないのかもしれない。2週間、様子を見ることにした。つづく。