怖がるプードル(全般性不安障害)。

そのプードルは、これまで何度か、体が痛そうとか、震えているとかで来院し、診察や検査をしても、明らかな異常が認められずにいた。

あるとき、どうやら、大きな音がした後や、雷の日、そして、その翌日に、そういった症状が見られていたことがわかった。怖かったのだ。怖くて体を固めた様子が、体が痛そうに見えたのだ。震えも、その一つの症状だったに違いない。

「恐怖」、そして、「恐怖症」。これらの用語は、明確な対象について使用する。つまり、大きな音や雷といった、はっきりとした刺激に対する情動反応のことだ。対策を考えた。まずは、刺激制御。そもそも大きな音を出さないようにする。なるべく音を遮るような、身を隠せる場所を確保する。あわせて、不安感を下げる薬を使う。

後日、症状は、落ち着いたとのこと。加えて、いつもは抱かせない人にも抱かれた、といった出来事もあったようだ。おそらく、日常的に感じていた、全般的な不安感も和らげることができたのではないかと考えている。

今後は、抗不安薬を頓服で使用しながら、生活することになる。もちろん、検査で引っかかってこない、骨や関節の疾患や、神経の疾患なども隠れているかもしれない。不確実な要素を、常に頭の片隅に置きながら、経過を見る。