脊髄空洞症は、実は多くの犬がもっているかもしれない。

犬の体格の多様性は、体高や体長のみならず、頭の形にも現れている。

キャバリアは、後頭部に発育不全が生じることが多い。脳のサイズに対して後頭部の骨が小さい。脳は逃げ場を求めて脊髄の方に押しやられて食い込む。脳脊髄液の流れは堰き止められ、脊髄の中に水溜りができる。脊髄空洞症だ。

キャバリアの95%は、この病気を持っているとされている。頭蓋骨の形態には、個体ごとにバラつきがあり、正常から異常まで、幅が広い。つまり、個体によって程度に差があるので、症状は有ったり無かったりする。

脊髄空洞症は、キャバリアだけでなく、チワワやトイプードルにも起こることが知られている。障害が強ければ、はっきりとした症状が現れるので、検査に進む。おそらく、多くは軽度なため、あいまいな症状が現れるだけで、やり過ごされている気がする。脊髄空洞症を持ちながら暮らす犬は、あちこちにいるはずだ。