犬の前庭障害は人間のメニエール病に似たような病気だが、三半規管のトラブルだけではないこともある。
ふらつきは脳の異常やある種の薬を飲んでいても現れることがあるが、三半規管のトラブルが原因となっていることはよくある。たいがいは体が左右のどちらかに向こうとして、顔をじっと見てみると眼球がゆっくりと左右どちらかに動いている。
当の動物の意思と関係のない動きなので、眼球だけ別の生き物のように感じる。勝手に動いてしまうからそれを自分で元に戻そうとする。こうして眼球が横方向にパッパッと動いて見えることになる。水平眼振だ。垂直方向の動きを起こすケースもときどきある。
耳の奥の鼓膜のさらに内側にある三半規管にまつわるトラブルが起きている。中耳炎、内耳炎、前庭神経の炎症や腫瘍、甲状腺機能低下症、外傷やその他の脳疾患(脳血管障害、脳腫瘍、脳炎など)、特発性(老齢性)。
身体検査で手足の反射と反応、歩幅と距離感が正常かどうかを見る。血液検査をする。CTやMRI検査をする。ここまでしてやっと診断できる。寒い時期に老齢犬に急に起こる場合は特発性にしてしまいがちだが、めまいの薬を使って飼い主と今後を相談しながら進める。