猫と暮らすとき、行動特性を知れば、うろたえない。

猫は、群れることを嫌い、単独行動を好む。1万年前に祖先から枝分かれした後も、その行動特性は、変わらなかった。

自分の身を自分で守り、ひとりで食料を獲得する。外敵に襲われにくい、獲物を見つけやすい高い場所に隠れる。身一つであるということは、病気や負傷が死に直結する。体調管理としてグルーミングで体を清潔に保つ。怪我を避けるために、脅威が迫ったときは、ボディランゲージで警告を発して、相手を近づけないようにする。隠れ家は、誰にも気づかれたくない。排泄物を砂でしっかりと隠して、臭いを消す。一方、自分の縄張りを主張するときには、逆に、排泄物を利用したり、爪研ぎをしたりして、マーキングを行う。狩猟本能の塊。標的を捕らえるための凄まじい身体能力。鋭い爪と犬歯を備えている。

猫と生活を共にすると、このような行動学的特徴が存分に発揮されることがある。人間にとっては不都合なことでも、猫にとっては普通のこともよくある。

猫の行動に困った際は、まずは、その行動が猫にとっては普通のことなのか、そうでないのかを、立ち止まって考えてみる必要がある。これが理解をする第一歩だ。