犬の頭痛について考えた。
2013年に発表された、犬の頭痛についての論文を読んでみた。
→ https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24033420
犬は、コッカ―スパニエル(5歳、雌)。症状は次の通り。不安な様子。おとなしい。物陰に隠れる。鳴き続ける。よだれが出る。吐く。意識ははっきりしているが食欲がなくなる。最初はこれが1年に1~2回だったのが、月に2~3回に増えた。可能な範囲で検査をしても原因は特定できず。頭痛かもしれないと考え、頭痛薬を飲ませたら、症状が軽くなった、という内容。
頭痛とは、主観的な症状だ。この犬が「頭が痛い」と言うわけではないので、本当のところはわからない。現に、検査をして異常所見がなかったら、まずは、抗てんかん薬を試してみて、それでも効果がない場合に、頭痛薬を試してみる。論文では、そんな結論となっている。
実際は、「てんかん」との区別が難しいようだ。てんかんの犬でも、同じような症状が見られることは十分あり得る。この論文では、脳波の測定をしていない。また、使われた頭痛薬は、てんかんを抑える作用も一部ある。「てんかん」の疑いは、拭い切れない。犬の場合は、「頭痛」も「てんかん」も、両者を並行して対処することになるのが現実なのだろう。