犬のハエ咬み行動の診療には時間がかかるし、確定も難しいことが多い。焦らず、細かく、犬の行動を観察すること。
飼い主が差し出したスマートホンの画面には、1歳のボーダーコリーが映っている。場所は飼い主宅のリビング。ソファの上に乗って、天井を見上げている。頭を左右に振り、何かを目で追いかけているように見える。時折、パクッと口を動かし […]
喉の腫れは、甲状腺癌か。脳転移を疑った犬に何ができたか。次々と現れる大脳症状を食い止めるためには。
20㎏ほどもある12歳のボーダーコリーは、咳をするとのことで来院した。喉元を触ってみると、10㎝くらいの硬い塊を感じた。明らかに、皮膚の下にある喉の構成成分の形態が大きく変化していることがわかった。腫瘍を疑った。経験上、 […]
折れ耳のスコティッシュフォールドと、反り耳のアメリカンカール。辛いのは、関節の障害か、耳の汚れか。
野生の動物の世界に、垂れ耳や折れ耳は存在しない。本来の形質は、立ち耳である。しかし、身近な犬や猫、その他の家畜では、垂れ耳や折れ耳をよく見かける。これは、品種改良で人為的に作り出したり、人間に従順な個体を選抜して、世代を […]
背景にある、かゆみのストレスを抑えて、あえて距離をとる。アレルギーを持った、怒った猫への対処法。
2歳のサイベリアンが、最近、飼い主に対して威嚇するようになったという。しかし、特段、驚くほどのことではないと思った。これまで、病院のホテルで預かることがあったとき、ケージに近づくと、「シャー」としかめっ面で無声音を発する […]
1剤ではコントロールができなかった特発性てんかんの犬。2剤、3剤と微調整を重ねて、1年かけて安定させた。
診察台に四つ足で立ったまま、ボーっとしている。ハチの広い、短毛でフォーンのチワワは、少しだけユラ~っとして、今にも眠ってしまいそうだ。触診していれば、その刺激で目は開くが、手を離して飼い主と話していると、いつの間にか目を […]
2ヶ月で5割減、8ヶ月で9割減。トイ・プードルの尾追い行動は、診療開始からじわじわと改善していった。
3歳を迎えたトイ・プードルは、診療開始から8ヶ月で、問題行動がほぼなくなった。幼齢期のころから自分の尾を気にする仕草があり、そして、クルッと回る、尾追い行動が見られていた。そのうち、不快なときや葛藤を感じたときに、特にそ […]
この嘔吐は、てんかんの症状だろうか? 嘔吐とてんかんの関連について、このように考えた。
16歳のトイ・プードルが、てんかんの診療に来院した。その症状は、“ 嘔吐 ” だという。瞬間的に、飼い主の思慮深さを感じた。” 嘔吐” と "てんかん" を結びつけるには、一般的には乖離がある。この乖離が埋まる経験をして […]
吠えに対して、エネルギー発散不足の解消に取り組んでいた犬。不安や恐怖の感情も持ちあわせていることがわかり、別のアプローチも追加した。
スケジュールを立てる能力を持っている動物は、人間だけなのだそうだ。誰と会う、何をする。未来を計画して、期日を決める。これが、人間と他の動物を分ける特徴の一つらしい。他の動物は、先を見越した行動はとらないとされている。ただ […]
高齢犬の様子の変化を、飼い主は、老化と思うことがほとんどだ。脳神経系の老化と病気を分けるものとは何か。
急にうつむき加減になって、グルグル回って、食欲がないとのことでやってきた15歳のトイ・プードル。最初にその姿を見て、なんだかいつもと違うと思った。動きに俊敏さがなくなっている。これまで、診察台の上に乗せると、嫌がってすぐ […]
若い犬の尾追い行動。早めに気づいて、飼い主の関わり方を適切に変えることが、将来の問題行動を防ぐことに役立つ。
5ヶ月齢の小型犬MIXが健診で来院した。ひとしきり診察をして、その終わり際に、飼い主からちょっとした相談を受けた。ぐるぐるとしっぽを追いかけることがあって、それがなぜなのか、ということだった。尾追い行動だ。尾追い行動は、 […]