脳炎? 特発性てんかん? それとも? 典型的でない症状が見られたときは、決め打ちせず、慎重に見極める。
6歳のマルチーズは、とても元気な性格で、はしゃぐことが多かった。飼い主によれば、何かスイッチが入ると、ヒートアップするのだという。ある日、いつもと同じように興奮した後に、倒れた。震えて口を大きく開けて、叫び声を上げた。体 […]
抗うつ薬を減らして現れた離脱症状。その対処をする中で、思いがけず出会った別の薬。犬の尾追い行動を緩和できた。
安定させるまではひと苦労なのに、その安定した状態は、ちょっとしたことで一瞬にして崩れ去ってしまう。神経に作用する薬剤には、すぐにはやめられないものがある。それは、突然やめると、急激に悪化するからだ。抗てんかん薬や抗うつ薬 […]
頭を持ち上げない。目がうつろ。首が硬く感じる。こんなときは、頚部痛を疑う。診療の進め方を徹底解説!
床置きの食器にドライフードが入っている。10歳の小型犬MIXは、当然、首を下げて食べる。犬の一般的な食事風景だ。飼い主が撮影して持参した動画はこうして始まった。そのうち、犬は食べるのをやめた。背骨と平行になるくらいの高さ […]
認知症の犬が感じる不安感。それを見て飼い主が感じる不安感。悪循環を断ち切るために、犬の薬物療法とともに、飼い主の心のケアも欠かせない。
夜中に犬がずっと息切れをしていたから眠れなかった。飼い主はそう言って、14歳のボーダーコリーを連れて来た。呼吸器系の症状は、深刻な事態を連想させる。よく来る犬なので、様子はちょこちょこ確認できていた。振り返ってみると、こ […]
季節性アレルギーの発症期間は、延長している。5月から10月まで、湿気、花粉、飛散粒子に要注意だ。
新緑の季節である5月から、カモガヤやオオアワガエリといったイネ科植物が、河川敷や道端に繁茂してくる。モリモリと丈を伸ばし、たくましい。夏の花粉症の原因だ。目の周りや、腕や脛の毛が薄くなった犬の来院が増えた。 そのうち6月 […]
けいれんを止めるだけでも意味はある。原因がそのままでも許されるケースとは。
けいれんを起こしたとの一報が入った。16歳の小型犬mixが飼い主に抱きかかえられてやって来た。診察台に横たえられた犬は、意識はおぼろげで、少しもがくように、前足を動かしている。自宅から病院に到着するまでの間に、激しいけい […]
布団やマットに排尿するマンチカン。不適切な排泄の対策の一つ。間取りに合わせてトイレの配置を工夫する。
3歳のマンチカンは、不適切な排尿を主訴に来院した。布団やマットに排尿するらしい。前提として、膀胱炎はないようだ。毎回十分量の排尿があり、頻尿はない。トイレは1階のリビングに3つ。内訳は、一般的なプラスチック製の猫用トイレ […]
基準値内でも下がってきたら、要注意!知っておくべき抗てんかん薬の耐性発現。
11歳のチワワが、1年ぶりにけいれん発作を起こした。ずっと安定していたところに突然の報告だった。すぐに、いつも飲んでいる薬に加えて別の薬を追加した。けいれんを抑える作用が早く現れる、頓服で使える薬だ。1年前に大学病院を受 […]
犬のハエ咬み行動の診療には時間がかかるし、確定も難しいことが多い。焦らず、細かく、犬の行動を観察すること。
飼い主が差し出したスマートホンの画面には、1歳のボーダーコリーが映っている。場所は飼い主宅のリビング。ソファの上に乗って、天井を見上げている。頭を左右に振り、何かを目で追いかけているように見える。時折、パクッと口を動かし […]
喉の腫れは、甲状腺癌か。脳転移を疑った犬に何ができたか。次々と現れる大脳症状を食い止めるためには。
20㎏ほどもある12歳のボーダーコリーは、咳をするとのことで来院した。喉元を触ってみると、10㎝くらいの硬い塊を感じた。明らかに、皮膚の下にある喉の構成成分の形態が大きく変化していることがわかった。腫瘍を疑った。経験上、 […]