猫の特発性膀胱炎の本質は、泌尿器系以外のところにある。

比較的若い猫が、頻尿や血尿といった症状を示すことはよくある。特発性膀胱炎と診断をすることが多い。この猫の特発性膀胱炎という疾患は、膀胱炎という名称が付いていながら泌尿器系の病気ではない。実態は、泌尿器系以外に原因があって慢性再発性の下部尿路徴候(膀胱や尿道の症状)を呈する疾患である。

原因はある程度絞られている。過度のストレスである。生活環境からのストレスが、その猫の許容範囲を超えた時に発症する。猫の特発性膀胱炎は、精神の問題で発生する不安神経症なのである。快適ではないのだ。彼らの生活が。かつては、細菌性の膀胱炎にならって抗生物質を処方したり、炎症を抑えようと消炎剤の処方をしたりした。だが、今、治療は、精神を安定させる方向へ舵を切っている。

若い頃から頻尿と血尿を繰り返す猫は、神経質なため痩せていて見るからに不安傾向が強い。特発性膀胱炎として昔ながらにずっと消炎剤や止血剤を使っていても一向に良くならない。しかし、猫の特発性膀胱炎の真の病態にアプローチした途端、生活の質が一変することがある。

薬を変えたら覿面に効くことがある。不安感と痛みを緩和する薬だ。膀胱炎は、慢性化してくると神経自体に痛みが生じ始めるので、そこにも有効だ。ストレスは、自律神経やホルモン、免疫に支障をきたす。いずれ他の病気も現れるかもしれない。パンドラの箱が開けられてしまったとしても、最後に箱の中には希望が残るように、猫のトイレ、睡眠や休息の場、運動の質に、改めて目を向けてみてほしい。