見た目は皮膚病でも皮膚の異常感覚や行動の問題のこともある。神経に作用する薬で落ち着かせる。
自分の皮膚を激しく咬む猫。ひどいときは患部の皮膚がベロリとめくれる。ノミがいれば駆除をするが、それでも症状は治まらなければ細菌性の皮膚炎の可能性に対して抗生物質を投与する。それでも変わらないときは、アレルギーか神経の疾患か行動の問題を疑うことになる。
ここまで患部がひどいと、触ろうとすると狂ったように咬みついて来る。そして患部を執拗に咬む。このように異常な執着があるときは、違和感や痛みはもちろん、もはや反射的な行動なのだろう。
次の手として抗アレルギー剤を使ってみる。患部の改善具合や猫の反応で評価する。すっきり治るわけではない場合は、まだ核心を突いていない。アレルギーを完全に否定はできないが、てんかんや知覚過敏の可能性を考える。
自傷行為が先で皮膚炎が後かもしれない。それがまた痛みや違和感を生じてさらに自分で咬んで悪化させる。脳の神経にそういう回路ができあがっていることもあり得る。こうなると原因がどれかを決めることに意味はない。とにかく痛みや異常な感覚を和らげて不安な感情を鎮めてあげる。そうして情緒を安定させる。