自律神経に作用する甲状腺ホルモンは、神経病を思わせる症状を現す。でも、その神経症状は、他の病気が原因になっていることもあり得る。
交感神経とか副交感神経とか、こういった自律神経に関わる疾患は神経病を思わせる症状を見せる。喉元にある甲状腺という小さな器官は、ホルモンを作って血液の中に流し込んで全身に行き渡らせる。この甲状腺ホルモンは自律神経のうちの交感神経を刺激する。
夜鳴きの激しい高齢猫が、やせて目がらんらんとしていると、甲状腺機能亢進症、認知症、高血圧、脳腫瘍といったところを思い浮かべる。血液検査で甲状腺ホルモンの数値が参考基準値を超えていれば、甲状腺機能亢進症でまず決まりだろう。薬を処方して経過を見ることになる。
しかし、だからといって、認知症、高血圧、脳腫瘍を切り捨てることはできない。この4つの問題は、併存することも理論的にはあり得る。薬で甲状腺ホルモンを参考基準値まで低下させても、症状が続く場合を常に想定しておかなければならない。
次に行う検査は血圧測定だ。そこで高血圧が否定されたら認知症の精査へ。評価表にしたがって確認する。最後は脳腫瘍。脳腫瘍については、この段階でその可能性があることがわかっても何もしない。検査にも治療にも耐えられそうにないからだ。けいれんなどの症状が現れたら適切に対処する。ただし、この4つ以外のレアな病気も隠れているかもしれないということも頭に入れておく。