猫のけいれんは、顔から始まることがある(口部顔面自動症)。

状態の安定していた、てんかんを持つ若い猫が、発作を起こしたと、飼い主から連絡が入った。抗けいれん薬を開始して、6ヶ月ほど経っていた。ずっと落ち着いていたのだが、この2週間で、3~4回、発作が起きているとのことだった。

最初から疑っていたが、特発性てんかんではなく、構造的てんかんなのだろう。本来であれば、抗けいれん薬の血中濃度を測定して、適正であるかどうかを評価したいところ。さらに、脳脊髄液検査や脳MRI検査へ進むことが望ましい。

さて、猫のてんかんは、定義や分類、発作型は犬と同じだが、犬とはまるっきり異なる部分もある。猫には、特徴的な発作型や症候群が存在することが知られていて、扱う際には、完全に別次元のものと考えた方がよい。この猫は、けいれんが起きる前に、瞼や口元がひきつり、耳が後方へ反り返る。口部顔面自動症だ。

猫側頭葉てんかんと呼ばれる発作型の前段階とされている。つまり、顔面にひきつけが起きたあとに、全身のけいれんに発展する。脳の海馬や偏桃体といった場所が、発作の焦点らしい。飼い主には、これ以上、猫の発作の頻度が高くなる前に、薬用量の増加とともに、精密検査を提案しなくては。