腰や足がピリピリする。犬の脊髄から枝分かれする神経が圧迫されたときに現れる症状を神経根徴候と言う。
何度か突然後ろを振り返って、唸りながら腰のあたりをガジガジと咬む。その行動は、目が覚めている間だけでなく、睡眠時に起きることもある。眠っているのに、急に起き上がって、咬む。かじっている腰の一部の毛が薄くなっったり、カサブタができたりする。
レントゲンで腰のあたりを撮影すると、腰椎と腰椎の間が明らかに狭くなっている。神経が刺激されていると考えてもおかしくない所見だ。咬んでいる腰の皮膚の場所とちょうど一致する。姿勢や気圧の変化によって痛みが生じるのかもしれないし、あるいは、ピリピリするとか痺れるような感覚がときどき走るのかもしれない。
生い立ちや環境に引っ張られて心理的・行動的な原因が頭から離れないこともあるが、その他の症状にも気を配る必要がある。後ろ足を痛がるとか、太ももの筋肉が萎縮してくるとか。脊髄は、腰のあたりから馬の尻尾のように枝分かれして、その一部は腰椎と腰椎の間を通って後ろ足へと向かう。その神経が障害されることもある。
毎日のように後ろを振り返っては自分を傷つける行動。しかも、眠りを妨げられるほどの。その辛さは、どれほどだろうか。察するに余りある。神経の痛みを緩和させる薬で、良くなることがある。先入観を傍らに置き、基本に忠実を心がける。診断の本道を行くことが、結局は早く動物を楽にする。楽しく散歩に行って、ぐっすりと眠る。穏やかな暮らしを目指してあげたい。