脳幹の病変は油断できない。生命にいつ危機が迫ってもおかしくないことを、しっかりと伝えつつ、少しでも緩和できるように薬を使っていく。
脳をブロッコリーに例える。ブロッコリーの頭の部分は、つぼみなのだそうだが、その濃い緑色のつぼみから、薄緑色の茎がつながっている。つぼみを大脳、茎を脊髄とすると、つぼみに接する茎の部分は脳幹である。脳幹は、視覚、聴覚、呼吸 […]
前に進みたいけど、進めない。散歩中の犬の葛藤。犬とすれ違うとき、どう対処すればよいか。
犬の散歩中、遠くから同じように、犬の散歩をしている人がこちらに向かってくる。このままだと、至近距離ですれ違うはずだ。こっちの犬の耳が前に向く。前方に注目しているのがわかる。目の色が変わった。あっちの犬の存在に気づいたのだ […]
見た目は皮膚病だったのだが、どうも違う気がする。皮膚に何かを感じているようだった。神経の痛みを和らげる薬で落ち着いた。
自分の背中や腰のあたりの皮膚を激しく咬む12歳の猫。患部の皮膚は、ベロリとめくれていた。ノミがいたので、ノミの駆除をしたが、それでも症状は治まらなかった。細菌性の皮膚炎の可能性に対して抗生物質を投与しても、変わらなかった […]
家庭に子どもが増えたとき、犬の心身に起こる変化。新たな秩序に慣れるまで、待つ心構えが必要だ。
家庭に人間の子どもが新たに生まれて加わることは、犬にとってはおおきな環境変化だ。今までいなかった別の生き物が、突然家の中にいる。元々不安感が強く、怖がりな性格の犬であれば、この変化にすぐにはついていけないことが多い。 し […]
抗てんかん薬の始め時を迷うことがある。そんなときは、点鼻薬を常備してもらえれば、飼い主も獣医師も安心できる。
てんかんに対して、投薬を勧めるかどうか迷うのは、こんなときだ。中年齢の犬。今まで、1年に1回程度の発作が起きていた。それが、先月発作を起こし、そして、昨日から今朝まで落ち着かない様子で、小刻みに震えて、歩き回る。この行動 […]
不安を抑えたり、睡眠に入りやすくしたり、薬の効果は、その日、そのとき、その犬や猫によって様々なので、微調整が肝になる。
16歳の柴犬は、右側にぐるぐる回る。そのうち、尻もちをついて、それでも右を向こうとするので、起き上がれない。そこでイライラして、泣き叫ぶ。そんなことを、家でも繰り返すらしい。鳴り響く悲鳴に飼い主は、辟易としていた。 眼を […]
顔面のミオクローヌスは、てんかんを連想させる。ハエ咬み行動をする柴犬が抱えるのは、行動学的問題か脳疾患か。
3歳のころから、空中に向かってパクパク何かを咬む動きをするオスの柴犬は、4年経っても、まだそれをときどきするらしい。興奮したときに、その行動が多いとのこと。ずっとケージの中に入っていて、出てきたときもそうで、我慢していた […]
人間のメニエール病に似ている病気を、犬では前庭障害と言う。脳に異常がないと判断されれば、三半規管だけのトラブルを疑う。
他院で処方された、かゆみ止めの薬を飲んでから、ふらつくとのこと。14歳のトイプードルは、アレルギー性皮膚炎を持っているようだった。薬が原因でふらついているということであれば、内臓に影響が及んだのかもしれない。そう考えて、 […]
てんかん発作、手足の麻痺、そして、認知機能の低下。転移か原発か。脳腫瘍を疑ったポメラニアンの壮絶な介護が始まった。
ある腫瘍性疾患のケアをしていた、13歳のポメラニアンが、全身のけいれん発作を起こした。腫瘍は肝臓と脾臓にあることがわかっている。脳に転移したのか、特発性てんかんがこの年齢になって現れたのか、まったく別の腫瘍が脳にできてし […]
高齢犬の夜鳴き。まだまだ元気なこの犬は、運動が減ってしまい、エネルギーがあり余っていた。たくさん走らせる。単純だが、これが解決法だった。
飼い主とその付き添いの人たちと一緒に病院の外に出て、その犬と散歩してみた。飼い主たちには、まず、近くで見てもらった。よく歩く。砂利の駐車場にまばらに生えた草のニオイをくんくんかぎながら、散策している。この犬の意識は、周囲 […]