神経の話
てんかん診療の進め方。厳密な診断基準に沿いながら、飼い主の感情を組み入れる。現場で役立つカスタマイズ。
1ヶ月間隔で2回、犬が発作を起こしたが、どう考えればよいかとの相談を受けた。てんかんの可能性はあると答えた。他の原因もあるかもしれないが、てんかんではないとは言えない。他の原因も頭の片隅に置きつつ経過を見守るのだ。基準か […]
脳炎? 特発性てんかん? 痛み? 典型的でない症状が見られたときは、決め打ちせず慎重に見極める。
興奮した後に声を上げて倒れるという症状は、2つの問題が考えられる。痛みかてんかんかだ。震えて口を大きく開けて叫び声を上げる。体は硬直し、排泄もしてしまう。飼い主にとっては恐ろしい光景だ。震えや硬直はけいれんを思わせる。一 […]
頭を持ち上げない。目がうつろ。首が硬く感じる。こんなときは頚部痛を疑う。診療の進め方を徹底解説!
床置きの食器にドライフードが入っている。犬は当然首を下げて食べる。犬の一般的な食事風景だ。そのうち犬は食べるのをやめる。背骨と平行になるくらいの高さで首の位置を保って、動きが止まっている。犬はゆっくりと首を動かして横を見 […]
けいれんを止めるだけでも意味はある。原因がそのままでも許されるケースとは。
けいれんを起こしたとの一報が入った。老犬が飼い主に抱きかかえられてやって来た。診察台に横たえられた犬は、意識はおぼろげで少しもがくように前足を動かしている。自宅から病院に到着するまでの間に激しいけいれんは治まっていたよう […]
基準値内でも下がってきたら、要注意!知っておくべき抗てんかん薬の耐性発現。
安定していたのに1年ぶりにけいれん発作を起こすということはある。すぐにいつも飲んでいる薬に加えて別の薬を追加する。けいれんを抑える作用が早く現れる、頓服で使える薬だ。特発性てんかんと確定診断はついている。 発作型の変化は […]
腫瘍の脳転移を疑った犬に何ができるか。そうなる前とそうなってしまったときにできること。
気づいたときには完治が難しいだろうと思われる状態になっていることはときどきある。例えば甲状腺がんを抱えた犬。喉元に硬い塊。大きすぎて経験上これは厳しいと感じる。治療のために検査に進むのか緩和ケアだけにするのか飼い主と相談 […]
1剤でコントロールができないてんかんは、2剤、3剤と微調整を重ねて安定させる。
てんかんの投薬治療にはスタンダードがある。初めから2剤や3剤を使うといったことをすると副作用が強く出る。突っ立たままボーっとする。触ればその刺激で目は開くが手を離すとユラ~っとして目を閉じてしまう。薬が効いている証拠では […]
この嘔吐はてんかんの症状だろうか? 嘔吐とてんかんの関連について考えた。
嘔吐が頻繁になってきて、その後ミオクロニー発作が現れた。ここに関連はあるのだろうか。あるとしたらどういったメカニズムが考えられるだろうか。 ミオクロニー発作は光や音などの刺激が誘因となる。体の一部あるいは全身の筋肉が瞬間 […]
高齢な犬の様子の変化を飼い主は老化と思うことがほとんどだ。脳神経系の老化と病気を分けるものとは?
急にうつむき加減になって、グルグル回って食欲がない。いつもと違う様子。動きに俊敏さがない。今まで診察台の上では嫌がってすぐに飼い主に飛びついていたのに、全く抵抗しない。こういったことはたまにある。 他にも顔が片側だけに向 […]
首がピクピク頚部痛。薬で軽快してもX線検査でわかることは少ないので、疾患が潜んでいる可能性を飼い主に伝える。
犬自体は静かにしているのに首の皮膚だけがピクッピクッとリズミカルに動く。これをミオクローヌスという。「首がピクピク」は「頚部痛」というキーワードを連想させる。身体検査で手足に麻痺はない。X線検査では明らかな異常は見られな […]