神経の話

神経の話
このフラフラは何が原因? 同時に見られる症状が斜頸や眼振だけであれば、その運動失調は前庭性だ。

体の左側を下にして診察台の上に横たわる高齢犬。磁石でもくっついているみたいだ。起き上がろうにも吸い付いて離れない。抱き直して右下にするともがいてパニックになる。再び左下にすると静かになる。左下がしっくりくるらしい。もしや […]

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戦慄が走る、パグの神経症状。パグ脳炎が少しでも脳裏によぎるなら、積極的に精査に走るべし。

他にもヨーキーやマルチーズ、ポメラニアンなどの小型犬種に発生することはあるのだが、パグ脳炎という用語は、かつてパグに集団発生したからなのか、それとも語呂がいいからなのか、有名である。その実態は、壊死性髄膜脳炎である。自己 […]

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物音に対して敏感過ぎる猫。それが異常行動に伸展する場合には聴原性反射性発作を疑う。

キビキビして見るからに活動的な猫はその視覚や聴覚も鋭いことがあり、例えば、ビニールのガサガサ音や家族の人の素早い動きなどに驚く。このように、引き金は視覚刺激と聴覚刺激だ。刺激に対してピキーンと一瞬にして神経が高ぶる。瞳孔 […]

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ガクガクガクッ。電撃的な体のビクつきは、ミオクロニー発作を疑え!

腰を抜かす、プルプル震える、グルグル回ってバランスを崩してへたり込む。これだけでは原因が何かはなんとも言えないが、これが、ガクガクガクっと体が小刻みに上下に揺れて尻もちをつく、という表現になれば、ピンと来る。さらに、光を […]

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てんかん診療の進め方。厳密な診断基準に沿いながら、飼い主の感情を組み入れる。現場で役立つカスタマイズ。

1ヶ月間隔で2回、犬が発作を起こしたが、どう考えればよいかとの相談を受けた。てんかんの可能性はあると答えた。他の原因もあるかもしれないが、てんかんではないとは言えない。他の原因も頭の片隅に置きつつ経過を見守るのだ。基準か […]

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脳炎? 特発性てんかん? 痛み? 典型的でない症状が見られたときは、決め打ちせず慎重に見極める。

興奮した後に声を上げて倒れるという症状は、2つの問題が考えられる。痛みかてんかんかだ。震えて口を大きく開けて叫び声を上げる。体は硬直し、排泄もしてしまう。飼い主にとっては恐ろしい光景だ。震えや硬直はけいれんを思わせる。一 […]

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頭を持ち上げない。目がうつろ。首が硬く感じる。こんなときは頚部痛を疑う。診療の進め方を徹底解説!

床置きの食器にドライフードが入っている。犬は当然首を下げて食べる。犬の一般的な食事風景だ。そのうち犬は食べるのをやめる。背骨と平行になるくらいの高さで首の位置を保って、動きが止まっている。犬はゆっくりと首を動かして横を見 […]

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けいれんを止めるだけでも意味はある。原因がそのままでも許されるケースとは。

けいれんを起こしたとの一報が入った。老犬が飼い主に抱きかかえられてやって来た。診察台に横たえられた犬は、意識はおぼろげで少しもがくように前足を動かしている。自宅から病院に到着するまでの間に激しいけいれんは治まっていたよう […]

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基準値内でも下がってきたら、要注意!知っておくべき抗てんかん薬の耐性発現。

安定していたのに1年ぶりにけいれん発作を起こすということはある。すぐにいつも飲んでいる薬に加えて別の薬を追加する。けいれんを抑える作用が早く現れる、頓服で使える薬だ。特発性てんかんと確定診断はついている。 発作型の変化は […]

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腫瘍の脳転移を疑った犬に何ができるか。そうなる前とそうなってしまったときにできること。

気づいたときには完治が難しいだろうと思われる状態になっていることはときどきある。例えば甲状腺がんを抱えた犬。喉元に硬い塊。大きすぎて経験上これは厳しいと感じる。治療のために検査に進むのか緩和ケアだけにするのか飼い主と相談 […]

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