ミオクロニー発作の症状にはさまざまなタイプがある。行動の問題のように思えても、投薬を開始した方がいいこともある。
ミオクロニー発作を持つ犬が行動の問題とも受け取れる症状を表すことがある。ミオクロニー発作とは、電気が走ったかのように筋肉が短く収縮を繰り返す形で現れるてんかん発作である。ビクビクとかガクガクとか、体が小刻みに震える。
このように全身のけいれんを起こすタイプではないのだが、脳全体に異常な興奮が広がる全般発作の一種である。体の一部に症状が現れるので、それが正常なのか異常なのか判断がつきにくい。さらにその種類が多い。ビクビク、ガクガクだけでなく、まばたきとか首の動き、手足が動いたり、意識が消失することはないのだがピタッと動きが一瞬止まったり。
こういった症状は行動の問題のようにも見えるので、見過ごされることが多いと感じている。ミオクロニー発作なのか行動の問題なのかは、見た目だけでは厳密に切り分けることが難しい。様子を見るというのも一つの選択肢ではあるのだが、光や音の刺激で発症するタイプなど、一部のミオクロニー発作は全身のけいれん(強直間代性発作)に伸展することがある。
飼い主の話をこと細かに聞いて、時間帯、状況、天候、場所、家族の動きなど、具体的にイメージしてミオクロニー発作の割合の方が少しでも高いと感じるなら、重症化させない意味で投薬を開始した方が無難である。