おなかの毛が薄い猫。何かストレスを感じているのかもしれない。猫同士の関係性を見極めて、生活環境に手を加える。
おなかの毛が薄い猫は珍しくない。脱毛部位が円形だったり楕円形だったり、胸や太ももにまで広がっていることもある。たいがいが舐めている。皮膚が赤いときは舐めて軽度な炎症を起こしている。舐性皮膚炎だ。泌尿器や消化器の症状がなければ、おなかの中に何か原因があって、それを気にして舐めているということはひとまず考えなくていい。そうすると、原因は皮膚にあるか心の中にあるかである。
皮膚炎は、季節性でも食物でもアレルギーの症状の可能性はある。春と秋なら季節性。通年なら食物。大まかに分ける。首や顔にも皮膚炎があればアレルギーであることは濃厚なのだが、毛をかき分けてよく観察してもどこにも炎症が見当たらなかったり、おなか以外の皮膚に症状がなければ、アレルギーについてはひとまず保留にする。
並行してちょっと違う方向からアプローチしてみる。家庭環境はどうだろうか。同居猫がいるとか、落ち着ける場所があるかとか、トイレを気に入っているかとか、人間とのかかわり方がどうかとか。つまり、満たされた生活を送れているかどうかを確認する。
性格の違う猫同士が適切に距離をとれない、隠れ処がない、安心して排泄できない、そんな状況に陥るとストレスがかかる。泌尿器や消化器の症状が出てこないか、皮膚の炎症が消えるかどうか、様子を見てもらうのと同時に環境を整える。プライバシーや安全が守られることほど猫にとって大事なことはない。