布団やマットに排尿するマンチカン。不適切な排泄の対策の一つ。間取りに合わせてトイレの配置を工夫する。

3歳のマンチカンは、不適切な排尿を主訴に来院した。布団やマットに排尿するらしい。前提として、膀胱炎はないようだ。毎回十分量の排尿があり、頻尿はない。トイレは1階のリビングに3つ。内訳は、一般的なプラスチック製の猫用トイレが2つ。中にはどちらも紙製チップが敷き詰められている。もう1つは小物入れ。そこにペットシーツが敷かれてある。トイレ同士の距離は近い。隣り合っている。

同居の7歳の先住猫がいる。主に2階にいることが多いが、1回にも下りてくる。マンチカンは2階に行くことはなく、1階のリビングで過ごすことが多い。2頭はときどき接触する。双方の関係性は、あまり良くないらしい。2階には、先住猫用に衣装ケースのトイレがあるが、この先住猫は1階のトイレを使うこともある。マンチカンは、先住猫の後にトイレを使うことを避ける。とてもデリケートな性格だ。

診察台の上のマンチカン。身体検査はさせてくれるが、周りをキョロキョロして、落ち着かない。動きはきびきびしている。油断すると台から飛び下りそうだ。周囲の変化や刺激に敏感な性格がうかがえる。若いしエネルギーに満ちあふれてもいる。ストレス解消も必要だし、普段からストレスをなるべく溜めこませない環境づくりもあわせて行いたい。

まずは、1階のリビングに置いてある3つのトイレのうちの1つを移動して、階段からリビングまでの間に置く。普段2階で過ごすことが多い先住猫が1階に下りてきたときに主に使うように仕向ける。残りの2つのトイレは、リビングに置いていいのだが、離す。夜中に真っ暗にならず、かつ静かな場所に。これがトイレの対策。トイレのサイズを大きくするとか、砂を変えるとかは、まだ後でいい。