犬の尾追い行動の治療は、飼い主の前向きな姿勢が鍵となる。初期対応と薬物療法で改善をたぐり寄せる。
尾追い行動の予兆は幼齢期から見られている。しっぽの方をしきりに気にする様子。最初はこれである。それが成犬になっても治まらず、むしろ程度はひどくなり、激しくグルグル回るようになってしまう。MRIで頭からしっぽまで異常がないことも多い。
新たな犬を迎え入れたときもそうだ。尾追い行動が悪化することがある。不快や葛藤を感じているようなときに多い。寝ていても突然起きて尾追いする場合は生活に支障をきたしている。MRIで形としての異常がないことがわかっているなら心理的・行動学的な問題だろう。
ここまで強い症状があると、初期対応をベースとして薬物治療が必要になる。このとき抗うつ薬が使われる。まずは基準の用量の半分から。副作用を出さないように。1週間くらいして倍に増量。最低1ヶ月間は経過を見る。この薬は効果が出るまでに時間がかかる。尾追いの回数がどの程度減るかを評価する。
最初から薬物治療が目的で飼い主が来院することが多い。それまでに自身で積極的に動いて、あとは薬しか選択肢がないというところまで至っている。犬の様子もよく観察していて問題行動を細かく把握している。そういった飼い主は一つひとつやるべきことをやっていくので、望んだ未来を着実に手に入れることができる。