もしかして発作?―焦点性発作は見た目ではわかりにくい。そして、見逃されやすい。
てんかんと聞くと、多くの人が「突然倒れて、全身がけいれんする」ような激しい発作を思い浮かべるかもしれない。しかし、実はもっと目立たずに見逃されがちな“発作”がある。それが「焦点性発作」だ。焦点性発作は、脳の一部分だけが一時的に異常な電気活動を起こす発作で、そのため現れる症状もごく限られた動作や仕草になる。
たとえば、
- 口をくちゃくちゃと動かす
- 壁を見つめて動かない
- 突然、顔の片側だけがピクピクする
- 名前を呼んでも反応がない
- 意識があるようで、どこかぼーっとしている など
これらのサインは、疲れているのかな? 年のせいかな?と思われがちだが、焦点性発作の可能性もある。焦点性発作は、基本的にはきっかけがなく、ランダムに症状が現れるので気づかれにくいことが特徴だ。また、動画で撮影したとしても、「これが本当に異常なのか?」と判断に迷うくらいわかりにくい。
だからこそ、「あれ?」と思ったその直感はとても大切にしたい。どんな小さな違和感でも、遠慮せずに獣医師や看護師に相談したほうがいい。動画の持ち込みもするといい。すぐには判断できないし、手探りで薬を始めることになるかもしれないが、それでも何かしら手を打ってもらうことは無駄にはならない。
“見えにくい発作”に気づいてあげること。それは、わが子を守る最初の一歩になる。