猫に見られる典型的なてんかん発作。神経過敏になった後、走り出し、倒れて全身の激しいけいれんを起こす。正しい薬の使い方で緩和する。

野良猫が幼齢期に保護されて、その後けいれんを起こすようになることはときどきある。何度も繰り返している場合は、てんかんだろう。つまり、慢性の脳疾患ということになる。猫のてんかんの定義や分類は犬と一緒なのだが、細かいところを見ていくと異なる部分はいくつもある。犬の7割は特発性だが、猫の特発性は5割以下で、残りは構造的てんかんや反応性発作が多い。ただ、特発性が犬よりも少ないと言っても、猫には家族性自然発症性てんかんがあることが知られているので、若ければこの可能性はある。

それに加えてウイルスや原虫の感染もあったりする。胎子の時期にそういった病原体に感染して、脳の中が戦場になる。猫の方が負けてしまえば生き残れない。しかし、病原体に打ち勝った場合、猫は生まれて来るのだが、脳の中の焼け野原は残ったままなので、そのうち後遺症が現れることになる。

その代表例がけいれんだ。発症の仕方としては、突然、神経過敏になり、体の一部が少しビクビクし始め、ついには激しくバタバタと、全身の硬直、筋肉の収縮と弛緩が繰り返される。けいれんの前に全力で走り出してしまうこともある。いずれにしても家の中は大惨事である。猫にとっても家族にとっても対応は急を要する。すぐにけいれんを止めないといけないし、頻度を減らさないといけない。

手順は正攻法である。猫のてんかんの第一選択薬を1日2回投与する。発作の頻度を記録しながら、血中濃度の基準値上限まで薬用量を増やしていく。やり方は単純。決まった薬を決まった回数、血中濃度の上限まで増やしながら、まずは1種類を使い切る。こうして飼い主と猫の安穏を実現する。