戦慄が走る、パグの神経症状。パグ脳炎が少しでも脳裏によぎるなら、積極的に精査に走るべし。
他にもヨーキーやマルチーズ、ポメラニアンなどの小型犬種に発生することはあるのだが、パグ脳炎という用語は、かつてパグに集団発生したからなのか、それとも語呂がいいからなのか、有名である。その実態は、壊死性髄膜脳炎である。自己免疫性疾患で、自分の免疫が自分の体を攻撃する。その標的は、髄膜と脳だ。
悪いことに、これは進行性なのである。特にパグの場合は、予後不良なことが多く、ひどいケースだと数日から数週間で命が奪われることもあるとされている。だからこそ、若齢のパグにちょっとでも神経症状が見られると、緊張が走るのだ。中耳や内耳のトラブルで起こる斜頸は、脳の病気でも発症し得る。
不安を煽りたくはないのだが、こればかりは最悪を想定して飼い主に大学病院の受診を提案する。例えば、目が見えない、くるくる回る、ちどり足になる、ボーっとする、食べられない、飲み込めないなどの症状が現れたら、進行している証拠なので、パグ脳炎の可能性は高くなる。
万が一そうなったときは、応急処置的に薬を使う。結果として中耳炎や内耳炎と診断されれば安心だ。パグ脳炎でないことをはっきりさせるために、飼い主は時間的・金銭的リスクを負うことになるのだが、それと引き換えに我が子を失ってしまうかもしれない恐怖感からは解放される。