物音に対して敏感過ぎる猫。それが異常行動に伸展する場合には聴原性反射性発作を疑う。

キビキビして見るからに活動的な猫はその視覚や聴覚も鋭いことがあり、例えば、ビニールのガサガサ音や家族の人の素早い動きなどに驚く。このように、引き金は視覚刺激と聴覚刺激だ。刺激に対してピキーンと一瞬にして神経が高ぶる。瞳孔が開いて殺気立つ様子が想像できる。そして、その後すぐに、自分の体を執拗になめたり、かじったりする。沸き上がったエネルギーを舌や歯で外に逃がしているかのようだ。そのせいでおなかの毛は薄かったりする。

こういうケースもある。突然うなって呼吸が早くなる。ただ、きっかけになりそうな出来事は何もない。本来の性格としてセンシティブであることと、発作といった病的な状態であることとの境目は、外見上は連続的で簡単には区別ができない。だが、基本的には発作として対応した方がいいだろうと思っている。それは、そのままにしておくことがかわいそうだからという、その一点に尽きる。

こういった症状の後に、ミオクロニー発作や強直間代性発作が起きれば、脳疾患であることは一目瞭然なのだが、そうでない場合は決め手に欠ける。それでも、この時点で想定される疾患は2つ。音に反応するのは聴原性反射性発作。突然怒るのは側頭葉てんかん。大まかにそんな分け方になる。早速、薬物療法を始めたいのだが、その前に考えなくてはならないことがある。それは、それぞれの第一選択薬が異なることだ。

2つのタイプの発作が混在するようなことは通常あり得ないので、どちらかに決めて投薬を始める。まずは、聴原性反射性発作だ。なぜなら、ここで使われる薬はすぐに中止できるからだ。効果がはっきりしなければ中止してもう一方の薬に切り換えればいい。こうして刺激に対して反応が落ち着くかどうかを見る。