発作が出ていないのは、薬が効いているから。てんかん治療の原則は、”寝た子は起こすな!”

薬を飲んで発作が止まった。しばらく発作を起こしていない。薬はやめられる?

特発性てんかんと診断されて抗てんかん薬を飲み始め、それからずっと発作が起きていない。そういうケースは結構ある。そんなとき、薬をやめたくなるのは気持ちとしてはよくわかる。こちらとしても飲まなくていいならやめてあげたい。

一応、厳密ではないが、なんとなくの目安みたいなものはあって、1年くらい発作が起きていないと休薬が検討の土台に上がる。…が、ほとんど減らすことはない。個人的な経験で減らしたことがあるのは、別の原因が明らかになったときだ。

でも、一度だけ特発性てんかんで減薬したことがある。それはすぐに結果が出た。発作が起きてしまったのだった。たしか1~2日後だったか。早かった。焦って薬をすぐに元の用量に戻した。危ない危ない。冷や汗を感じながら事なきを得たと思ったが、それで済まなかった。発作が止まらなかった。慌てた。そして薬を少し増やした。そうしたら止まった。結局、最初に飲んでいた用量よりも増えてしまった。

ということがあったので、減らさないことにしている。これはつまり、一度始めたらそう簡単には減らせないということを意味している。特発性てんかんについては、発作がなくても薬は減らさない。薬がなくてもいいのではと考えるのではなく、薬があるから落ち着いているのだと考える。薬で安定しているという証拠なのだ。“寝た子は起こすな”のごとく、発作は薬で眠らせておくに限る。