正解はこれ! 愛情が伝わる “ ごほうび ” の与え方。

「帰ったらごほうびあげるね。」

診察中、一緒にいる飼い主がかたわらでペットに声をかける。特に、採血や注射をしているときなどに多い。可愛がられていることがよくわかる。応援の言葉をかけているのだが、ペットはそれどころではない。帰ったらごほうびが待っているからがんばろうとは考えない。

ごほうびをあげる適切なタイミングというのは、こういったイベント後3秒以内が鉄則だ。なんならイベント前から食べておいてもらう方がいい。そうでないと効果は見込めない。家に帰ってごほうびをもらっても、ペットは何を褒められているのか理解できないからだ。

子犬のトイレトレーニングが良い例だ。うまくできても褒めるタイミングが遅れれば、何が良かったのかわからず失敗は繰り返される。一方で、採血や処置のときにごほうびをあげる最大の目的は、その瞬間の不安感や恐怖心を和らげることだ。

ごほうびは、ペットに対しての愛情表現でもある。その愛情を示すタイミングを切り替えることをおススメする。注意点としては、食べ慣れているフードかおやつを使うこと。普段から食べていて消化器症状や体のかゆみなどがなければ、動物病院側はアレルギーをそんなに心配しなくていい。病院側で用意するのをためらうのはそんな理由からだ。受診の際には常に持って行き、ここぞとばかりに食べさせてあげてほしいと思う。