体調が悪くてふらつくことは、犬にも猫にも起こることはある。まずは全身状態を把握しよう。

体調がすぐれなくてふらつくことは人間ではあるだろう。立っていられなくてしゃがみ込む。こういったことは犬や猫でも起こるのだ。4足歩行で踏ん張ることができるので、人間のように倒れることはないからわかりにくいかもしれない。手足を前にも後ろにも運べないといった症状になる。

手足の反射や反応を調べて神経のトラブルを見極めて、目つきを見て意識状態を評価し、眼振の有無で前庭の障害を見る。同時に食べる量が減っていないか、元気があるか、消化器症状がないかを聴取する。高齢だと飼い主は老化が急に進んだのかと思うかもしれない。結膜が白くて貧血がありそうだとか、体重が減っていてずいぶん前から調子を崩していたことがわかることもある。

たいがいが脱水に陥っている。全身を流れる血液中の水分の量、あるいは血液それ自体が減って血圧が下がる。そうすると脳への血流が減少する。こうした血圧や血流の変化が生じることでめまいや立ちくらみが起きる。いわゆる体調不良に伴う平衡感覚の乱れだ。

これは脳を起点とする神経症状だが、もとにある病気への対策と同時に適切な処置をすれば、一時的なもので治まることが多い。点滴をして数日で改善する。この場合、もし本当に神経病があるなら脳の病気があるということになる。少ない可能性も常に頭に置きながら経過を観察する。