攻撃性が強い犬。薬物療法とトレーニングを組み合わせて改善を目指す。
うなる、吠える、咬むという問題行動がとても強い場合、最初から薬を処方することがある。同時に、吠えていないときの報酬を増やすとか、コマンドを出すとか、行動修正法を試すこともある。そして、自宅で飼い主自身がどのように対応すればいいのかの訓練も大切だ。
内服のおかげで少し落ち着くことはあっても十分とまではいかない。まだまだ攻撃性が強くて人間への危害が大きい場合は、きっかけを避けることや葛藤を起こさせない、体を動かしてエネルギーを発散させるなどの初期対応も同時に行いつつ、トレーナーに頼る。専門家の手を借りて別のアプローチを加える。自宅でのトレーニングを並行するのだ。
病院では体調の変化がないかなどを確認し、薬の効果を判定する。自宅では飼い主にトレーナーとやり取りをしてもらって、犬の性格の把握と飼い主がどう関わればいいかを学んでもらう。こうして定期的な診療とトレーニングを続ける。
そして、その経過を注視しながら、さらに踏み込んだ薬物療法を施すかどうかを見極める。脳の神経同士を伝達する物質が少ないといった神経の問題が濃厚なのであれば、新たな薬を処方する。一方で、薬物は犬の学習能力にも影響するので、トレーニングの妨げにならないように気を配る。