家庭に子どもが増えたとき、犬の心身に起こる変化。新たな秩序に慣れるまで、待つ心構えが必要だ。

家庭に人間の子どもが新たに生まれて加わることは、犬にとってはおおきな環境変化だ。今までいなかった別の生き物が突然家の中にいる。元々不安感が強くて怖がりな性格の犬であれば、この変化にすぐにはついていけないことが多い。

しかし、おそらく子どもに対してよりも、家族の行動の変化の方が犬にとってはストレスになるのかもしれない。本来群れで暮らしてきた歴史を持つ犬たちは、新たな仲間を受け入れやすい傾向がある。時間はかかっても人間の子どもを快く迎えるはずだ。

そう考えると、やはり子育てにかかりきりになる人間のルーティーンが変わることが犬にとっては重要なポイントになるのだろう。人間は忙しくなって心理的にもピリピリしてくる。そういった空気を察知して犬の行動が変わってもおかしくない。

このストレスを背景にして、さらに犬の感情を刺激する出来事が重なると、不安が増す、怖がる、吠える、咬む、といった行動が現れやすくなる。変化した環境はじきに安定してくるので、それに犬が慣れてくれるまで待つしかない。その間、人間はできる範囲でいつも通りを心がける。