ぐるぐるぐる、、、また始まった、、、。尾追い行動と薬の関係を知る。

尾追い行動などの「常同障害」を持つ犬に対して、薬を使用することで劇的に症状が改善することがある。その様子を見て、「そろそろ薬をやめられるのでは」と考える飼い主も少なくない。

しかし実際には、一度症状が落ち着いたとしても、薬を中止すると再発してしまうケースが非常に多い。これは、その犬の脳内で分泌されるセロトニンの量がもともと少ないという特性が関係している。

使われる薬の多くは、セロトニンの分泌を促すのではなく、分泌されたセロトニンを神経細胞の周りに長くとどめて効果を維持する働きを持っている。つまり、少ないセロトニンをできる限り有効活用するための薬なのだ。そのため、薬をやめればセロトニンはすぐに神経細胞に取り込まれ、再び症状が現れてしまうというわけだ。

常同障害の治療は「治す」のではなく、「うまく付き合っていく」ことが基本になる。症状が見えなくなっても油断せず、長期的な視点で安定を目指すことが、犬と飼い主の双方にとって大切なのである。