「もう治まったから、大丈夫?」 犬や猫の発作を初めて見たときのために、知っておいてほしいこと。
「死んでしまうのではないか⁉」
発作を起こしている犬や猫を目の当たりにしたとき、ほとんどの飼い主が真っ先に抱くのが、この感情だ。それくらい、発作の光景は衝撃的で恐ろしい。
横になった姿勢のまま、手足はピンと突っ張り、全身が激しく小刻みに震える。両目は飛び出してしまいそうなほど見開かれ、口からは泡のようなよだれがあふれ出る。そうかと思えば、今度は手足がバタンバタンと曲がったり伸びたりして、暴れているようにも見える。さらに失禁してしまうことも少なくない。
このように命の危険を感じるほどの状態になると、飼い主は急いで動物病院にかけ込むだろう。ところが、発作は数分でおさまり、そのあと何事もなかったかのようにケロッといつもの様子に戻ることも多い。さっきまでの出来事が嘘だったかのように、普通に歩き回っている。
そうなると、今度は別の迷いが生まれる。
「病院に行った方がいいのだろうか」
「でも、もう普通だし…」
さっきまでの動揺が落ち着き、少し冷静になると、「まぁ、もう少し様子を見てもいいか」という気持ちになるのはよくわかる。それでも、一度は受診しておいた方がいい。
「こんなことがあったんです。」
受診時のこの一言が、実はとても貴重な情報になる。検査をしてみると、脳そのものではなく、体の別の場所に原因が見つかることもあるし、今後の経過を考えるうえで大切な記録にもなる。
診断の基準からすると、発作が1回起きただけで、すぐに薬を始めることはほとんどない。少なくとも24時間以上あけて2回目の発作が起きて、初めて投薬を検討することになる。つまり、もしそれが初めての発作だった場合、次に起きたときに、すぐに対応できる準備をしておくことができる。
受診しておけば、病院には記録が残る。次に発作が起きたときも、状況を踏まえてすぐに投薬治療を始めることができる。だからこそ、「1回だけだから大丈夫」と思わずに、発作が起きたら一度は受診してほしい。それが、わが子を守るための一番確実な一歩になる。

